「ラジオ」止まらぬ高齢化、若者呼び戻せるか スマホ・AIスピーカーで変わる音声メディア

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一方で「音声コンテンツすべてのリーディングカンパニーになりたい」と息巻くのは、TOKYO FMを運営するエフエム東京の森田太・執行役員編成制作局長。実際、TOKYO FMは全国39のFM局と協力し、今年4月から「WIZ RADIO」というスマホ聴取アプリの配信を開始した。無料でエリアフリーの機能を利用できる。

生放送そのものだけでなく、放送された楽曲を試聴できたり、番組のポッドキャストやオリジナルコンテンツも聴けたりする。radikoに先んじてターゲティング広告機能を搭載したことも特徴だ。「ラジオというくくりで一緒くたにされては困る」という意思の現れかもしれない。

競合する音声コンテンツが勃興

もちろん、音声コンテンツはラジオだけではない。スマートスピーカーの登場で注目度が高まったのが、“声のブログ”とも呼ばれる新興ボイスメディア「Voicy(ボイシー)」。2016年9月からサービスを提供している。ラジオの新たな競合となる可能性がある一方、学べることも少なくなさそうだ。

「Voicy」にはタレントなど幅広い発信者が投稿している(画像:Voicyアプリ画面をキャプチャ)

ボイシーは実績のあるキャリアコンサルタントから大人気テレビ番組のディレクター、二児を持つ小児科医、美容業界で働くワーキングマザーといったパーソナリティをオーディションで選び、チャンネルを無料で開設する。

最近はインフルエンサーや著名な起業家も名を連ねる。緒方憲太郎社長は「スペシャリストの話を聞きたい人は絶対にいる」と話す。ラジオ以上にニッチな需要に応えられる可能性を秘める。

スマホとスマートスピーカーは、ラジオにとって新たな市場を作った。台頭してきた新たな音声コンテンツとの競争の中で自らを磨き挙げ、再び若者に振り向いてもらえるか。真価が問われるのはまさにこれからだ。

森田 宗一郎 東洋経済 記者

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もりた そういちろう / Soichiro Morita

2018年4月、東洋経済新報社入社。ITや広告・マーケティング、アニメ・出版業界を担当。過去の担当特集は「サイバーエージェント ポスト藤田時代の茨道」「マイクロソフト AI革命の深層」「CCC 平成のエンタメ王が陥った窮地」「アニメ 熱狂のカラクリ」「氾濫するPR」など。

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