北朝鮮の制裁はこんな感じに緩和されている 中国からの観光客も急増中

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今年1月からは北朝鮮で合弁事業を行うすべての企業が国連の制裁対象になった。オラスコムのような大企業が今も制裁を受けることなく事業を継続できているということは、制裁の適用が極めて緩い状況にあることを示している。

5月に開催された春季国際商品展覧会では、パンフレットに記載のある169社の出展企業のうち、20社以上が合弁と名乗っているのをNK Proは確認している。このような宣伝活動を行っても制裁の網に引っかかることはないと踏んでいるのだろう。

制裁緩和を勝ち取る可能性は高まっている

以上見てきたように、北朝鮮に対する制裁のインパクトは各方面で低下してきている。確かに、石炭や海産物などを大量に輸出し大量の外貨を獲得する道は、今のところ制裁によって断たれてはいる。だが、金委員長による首脳会談攻勢によって中国との関係改善が進み、これが制裁緩和と見られる動きにつながったもようだ。

北朝鮮政府は長距離弾道ミサイルおよび核兵器の開発を完了したと繰り返し述べ、米朝首脳会談の共同声明もそれなりに遵守する態度を見せている。こうした状況を踏まえると、当面は圧力強化を求める声が国際的に盛り上がるとも思えない。

つまり、北朝鮮政府が主要関係国との間で緊張を高めるような行動を慎む限り、実質的な制裁圧力の低下は今後も続く公算が大きいということだ。

この記事の冒頭に掲載した写真は平壌郊外に最近打ち立てられたプロパガンダ広告だが、そこにはこう書かれている。「最終的な勝利」。単なるこけおどしと甘く見てはならない。北朝鮮が核保有国として、国際的な制裁緩和を勝ち取る可能性は日に日に高まっているのだから。

(文:チャド・オキャロル)

筆者のチャド・オキャロル氏は北朝鮮ニュースの創設者。2010年から北朝鮮について執筆している。英ロンドンと韓国ソウルを拠点とする。
「北朝鮮ニュース」 編集部

NK news(北朝鮮ニュース)」は、北朝鮮に焦点を当てた独立した民間ニュースサービス。このサービスは2010年4月に設立され、ワシントンDC、ソウル、ロンドンにスタッフがいる。日本での翻訳・配信は東洋経済オンラインが独占的に行っている(2018年4月〜)。

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