北朝鮮の制裁はこんな感じに緩和されている 中国からの観光客も急増中

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友誼橋は通常、夜間に利用されることはないため、闇夜に隠れて貨物列車を走らせる目的だった可能性は十分にある。このような動きが確認される少し前の5月中旬、トランプ大統領は中朝の国境は「穴だらけだ」と中国に文句をつけていた。

NK Proが入手した別の写真には、北朝鮮側から橋を渡って中国側に石炭を運ぶ小型トラックが写っている。北朝鮮による石炭輸出は2017年の国連制裁決議によって禁止されている。一方、中国の図們と北朝鮮の南陽を結ぶ道路工事は2017年以降、中朝間の緊張の高まりと思われる理由から中断していたが、最近の関係改善を受けて再開されたもようだ。

北朝鮮との間のインフラ修復に興味持つ中国

6月にNK Proが入手した写真には、少なくとも5人の作業員と建設機械が写っている。中国側にある青い屋根の大きな構造物の周辺には中国語で「作業現場」と書かれており、中国の関与を裏付ける。

また、複数の消息筋によると、友誼橋の夜間照明は2017年後半に次々と故障していったが、今年7月になると橋の上に建設作業員が現れるようになった。照明を修理しているようだ。

野球帽や「アディダス」の服など北朝鮮ではまず目にすることのない服装をしている者がいることを考えると、作業員はおそらく中国人だろう。北朝鮮との間のインフラ修復に中国政府が関心を持っている様子がうかがえる。

たとえば、国連安全保障理事会で北朝鮮制裁の緩和が決議されるなど一定の条件さえ整えば、中国は北朝鮮との国境インフラの拡充に動いてくる可能性がある。そうなれば、鴨緑江をまたぐ輸送能力は大幅増強され、中朝貿易も大きく増えることになるだろう。

金委員長が6月に3度目の中朝首脳会談を行ってから、急速に盛り上がってきたのが中国人による北朝鮮観光だ。中国人の北朝鮮観光は大きく2種類。1つは北西部の町、新義州への日帰り旅行で、もう1つが平壌を起点としたツアー旅行だ(この場合、観光客は鉄道か飛行機で平壌入りする)。

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