30歳「保険会社勤務」の彼女とお金のリアル 彼氏と別れ、婚活アプリに月5000円払うワケ

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ミキさんは学生時代からちょこちょこと貯金をし、今も毎月3万円ずつ貯金をしている。ボーナスの時期は一気に20万円以上貯金をする。現在の貯金額は450万円。本当は毎月5万円貯金をしたいがそれはさすがにきついと語る。

「家賃は7万円。入浴はシャワーで済ますのでガス代がとても安くて1500円、電気代は2500円、携帯電話利用料が8000円。毎月現金を8万円下ろして食費に3万円くらい使います。料理はまったくしないので、外食、または買ってきたり。自由に使えるお金は5万~6万円ほどです。趣味は旅行だけど、1年に1回だし、休日は調べ物をして過ごしています。最近だとオウム真理教の事件についてネットでずっと調べていました」

月額制のマッチングアプリで婚活中

今回の取材がお金に関するテーマだと言うと、お金が原因で彼氏と別れてしまったエピソードを教えてくれた。

「新卒で働いた会社で同期入社の男性と付き合っていましたが、当時はお互いワーキングプア状態。ところが、お互い転職したら2人とも収入が上がりました。そしたら、お金を手にした途端、彼の態度が変わったんです。タクシーの運転手さんに強い口調でものを言ったり、店員さんに横柄な振る舞いをしたり……。3年ほど付き合いましたが、あっ、これはDVの予兆だな、ヤバイと思って別れました」

お金は人の心に余裕を与えると言われているが、マイナスな方面に変わってしまう人もいるようだ。

そんなミキさんが今、お金を使い始めたのが婚活のマッチングアプリ。実は、2~3カ月前に彼氏と別れたばかりなのだ。合コンで知り合った彼と1年半付き合ったが、彼に結婚願望がないことが判明。出産できる年齢を逆算すると、結婚願望のない人と一緒にいられないと思い別れを告げた。両親はそろそろ結婚話が上がると思い込んでいるらしく、元カレと別れたことをまだ言えないでいる。

最初は無料のマッチングアプリを使用していたが、なかなか好みの男性と出会えない。そこで、より真剣度の高い月額制の婚活アプリを今月から試すことにした。多くのマッチングアプリは、男性が有料、女性は無料のところが多いが、このアプリは女性も月額5000円かかる。ミキさんはお金と引き換えに結婚相手を探そうとしている。

彼女は有料のマッチングアプリを使うのは初めてだという。まずは1カ月間試してみて様子をうかがうとのことだった。それまでは顔で恋人を選んだこともあったが、今、相手に望むのは「お金が目的ではなく、仕事自体を頑張っている人」だそうだ。前に付き合った彼はお金を手にした途端に豹変した。その傷跡が、彼女の理想のタイプを固めたのかもしれない。

姫野 桂 フリーライター

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ひめの けい / Kei Himeno

1987年生まれ。宮崎市出身。日本女子大学文学部日本文学科卒。大学時代は出版社でアルバイトをしつつヴィジュアル系バンドの追っかけに明け暮れる。現在は週刊誌やWebなどで執筆中。専門は性、社会問題、生きづらさ。猫が好きすぎて愛玩動物飼養管理士2級を取得。趣味はサウナ。

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