ソニーが通期売上高計画を3000億円上方修正 当期利益も増額、営業利益見通しは不変
[東京 31日 ロイター] - ソニー<6758.T>は31日、2019年3月期(米国会計基準)の売上高予想を前年比0.7%増の8兆6000億円(従来予想8兆3000億円)に上方修正した。前提為替レートを円安方向に見直したことに加え、ゲーム事業が好調に推移していることを織り込んだ。
減収予想は一転、増収予想となった。
ゲーム&ネットワークサービス事業の売上高予想は前年比12.1%増の2兆1800億円と、従来予想から2800億円上積みした。家庭用ゲーム機「プレイステーション4(PS4)」の販売計画は従来の1600万台から1700万台(前年度1900万台)に引き上げた。
7─9月期以降の前提為替レートは1ドル110円前後(4月時点の通期前提105円前後)、1ユーロ127円前後(同125円前後)。
当期利益予想も前年比1.9%増の5000億円(従来予想4800億円)に上方修正した。米音楽配信大手スポティファイ<SPOT.N>の株式売却益などが寄与する。
一方、営業利益予想は前年比8.8%減の6700億円で据え置いた。スマートフォン事業のリスクなどを考慮した。
スマホ販売計画は従来の1000万台から900万台(前年実績1350万台)に下方修正。モバイル・コミュニケーション事業の売上高予想は前年比15.6%減の6100億円(従来予想6400億円)に、営業損益予想は300億円の赤字(従来予想150億円の赤字、前年は276億円の赤字)に、それぞれ引き下げた。
会見した十時裕樹・最高財務責任者(CFO)はスマホ事業について「競争環境はさらに厳しくなるリスクもある」として「対応策の検討に着手した」ことを明らかにした。
対応策の検討結果によっては「さらなる業績の下方修正や中期計画の見直しが必要になる可能性がある」という。
営業利益予想6700億円は、リスク要因として見積もった730億円を差引いた数値となっている。十時CFOは730億円のうち、もっとも大きいのはモバイル事業であることを明らかにした。
ただ「事業の継続については、スタンスはまったく変えていない」とも強調した。
会社側の営業利益予想はトムソン・ロイターが集計したアナリスト24人の予測平均値7546億円を大きく下回っている。
4─6月期の売上高は前年比5.1%増の1兆9536億円、営業利益は前年比23.7%増の1950億円だった。モバイル・コミュニケーション事業は足を引っ張ったものの、ゲーム事業が全体を押し上げた。営業利益は4─6月期として過去最高となった。
(志田義寧)
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