「超売り手市場」をフイにする3つの就活行動 先輩の「楽勝発言」を鵜呑みにしてはいけない

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「超」が付くほどの売り手市場と言われながら、採用広報解禁から4カ月が経ってもまだまだ活動を継続する学生が多くいる、その背景には何があるのか? 考えられるケースは大きく3つある。(1)短期決戦は理解していたものの事前準備が不十分だったケース(2)インターンシップに参加したことで安心し、志望企業を絞り込み過ぎてしまったケース、そして(3)順調に内定はもらえたが、企業研究が不十分で迷いが出てしまったケースだ。それぞれ、どういう状況かを説明していきたい。

1 事前準備が不十分だったケース

「売り手市場」の環境の中で楽観的なムードに流されてしまい、自己分析も企業研究も不十分なまま本番を迎えてしまったのだろう。いくら、就活生有利の環境とはいえ、企業の採用選考は甘くない。自分の特性や強みについての理解、志望業界、志望企業についての研究が不十分では、やはり内定をもらえない。

先輩からは「志望企業の内定をもらうのにそんなに苦労しなかった」「案外、楽だったよ」という成功談ばかり聞こえてくるかもしれない。だが、それを鵜呑みにせず、来年に向けても油断することがないよう、着実に準備を進めるべきだ。

インターンに積極的過ぎ、就活解禁後の活動が激減

2 インターンシップで安心し、志望企業を絞り込み過ぎてしまったケース

7月に発表した「2020年卒マイナビ大学生インターンシップ前の意識調査」によると、6月末の時点で、「今後、参加するインターンシップの具体的な予定が1つ以上ある」と回答した学生は、34.2%にのぼる。すでに参加済み、申し込み済みと合わせて、69.9%の学生がインターンシップに対して、何らかのアクションを起こしているようだ。

また、在学中にインターンシップに参加したい数を聞いたところ、3回以上を選んだ学生が78.0%。平均では全体で4.2回となり、複数企業のインターンシップに参加する意思があることがうかがえる。しかし、インターンシップに参加すれば内定が約束されるわけではないし、参加することでその企業の志望度が上がり、結果的に他の企業に目が向かず、選択の幅を狭めてしまう可能性もある。

ここ数年の就活の特徴として、就活解禁後の学生の活動量が大きく減少していることが挙げられる。特にエントリー数は、昨年の学生(2018年卒)は3月から6月までに平均40.0社エントリーをしていたが、今年の学生(2019年卒)は平均28.8社と10社以上も減少している。

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