「iPhone X」不振、有機ELは本当に儲かるのか

サムスンが投資にブレーキ、日本勢も茨の道

同社は現在二つ目の有機EL工場を建設中だが、2017年、2018年と立て続けに第3・第4工場の建設を公表。近日中に第5工場建設も発表されるとの観測もある。投資額は累計2兆円超。供給過多にもかかわらず、なぜ巨額投資を進めるのか。IHSマークイットのデービッド・シェ氏は、「投資額の7~8割は地方政府からの補助金。支給されているうちに最大限の設備投資を行う算段だろう」と分析する。

日本勢が有機ELで生き残る道はあるか

対する日本勢は、ジャパンディスプレイがアップルなどからの資金調達で2019年度中の有機EL量産化を目指していたが、現在は交渉を延期。有機EL専業のJOLED(ジェイオーレッド)を子会社化する予定も、資金不足で断念した。

当記事は「週刊東洋経済」8月4日号 <7月30日発売>からの転載記事です

JOLEDは今年3月末までに1000億円を調達し、石川県の工場に投資する予定だった。だが6月、一部しか資金を確保していない状態で量産準備を開始。早期の収益化に必死だ。

液晶から有機ELへの転換シナリオが崩れた今、韓国、中国の後塵を拝する日本勢が、スマホ向けパネルで対抗するのは困難だ。生き残る道はあるのか。問い直す時期は迫っている。

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
  • 最新の週刊東洋経済
  • コロナ後を生き抜く
  • 読んでナットク経済学「キホンのき」
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
香港問題めぐり米中激突<br>加速するデカップリング

6月30日、「香港国家安全法」が施行されました。「一国二制度」の下での高度な自治が失われたとして、西側世界と中国の対立は一気に深まっています。米中経済の分離は、サプライチェーンの見直しなど、グローバル企業にも大きな変化を迫りそうです。