「iPhone X」不振、有機ELは本当に儲かるのか サムスンが投資にブレーキ、日本勢も茨の道

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同社は現在二つ目の有機EL工場を建設中だが、2017年、2018年と立て続けに第3・第4工場の建設を公表。近日中に第5工場建設も発表されるとの観測もある。投資額は累計2兆円超。供給過多にもかかわらず、なぜ巨額投資を進めるのか。IHSマークイットのデービッド・シェ氏は、「投資額の7~8割は地方政府からの補助金。支給されているうちに最大限の設備投資を行う算段だろう」と分析する。

日本勢が有機ELで生き残る道はあるか

対する日本勢は、ジャパンディスプレイがアップルなどからの資金調達で2019年度中の有機EL量産化を目指していたが、現在は交渉を延期。有機EL専業のJOLED(ジェイオーレッド)を子会社化する予定も、資金不足で断念した。

JOLEDは今年3月末までに1000億円を調達し、石川県の工場に投資する予定だった。だが6月、一部しか資金を確保していない状態で量産準備を開始。早期の収益化に必死だ。

液晶から有機ELへの転換シナリオが崩れた今、韓国、中国の後塵を拝する日本勢が、スマホ向けパネルで対抗するのは困難だ。生き残る道はあるのか。問い直す時期は迫っている。

印南 志帆 東洋経済 記者

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いんなみ しほ / Shiho Innami

早稲田大学大学院卒業後、東洋経済新報社に入社。流通・小売業界、総合電機業界などの担当記者、「東洋経済オンライン」編集部などを経て、現在は『週刊東洋経済』の巻頭特集を担当。過去に手がけた特集に「半導体 止まらぬ熱狂」「女性を伸ばす会社 潰す会社」「製薬 サバイバル」などがある。私生活では平安時代の歴史が好き。1児の親。

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