パナソニックが抱える、新たな課題

パナソニック 、通期最終利益予想を上方修正

構造改革は前倒し、エアコン・デジカメも不振事業に

構造改革費用は今期から2年間で2500億円を計画。記者会見した津賀一宏社長は、今期の構造改革費用を積み増したことについて「できるだけ前倒しする」と述べた。すでにテレビ・パネル、半導体(システムLSIを除く)、携帯電話、回路基板、光ドライブ・ピックアップの5つの赤字事業を課題と位置付けており「下期はさらに抜本改革を加速する」(津賀社長)という。

同日、プラズマパネル事業からの撤退を正式に発表。テレビ・パネル事業は今期340億円の赤字の見通しだが、津賀社長は「2015年度の赤字解消にめどがついた」と強調した。

また、すでに携帯電話事業では、個人用スマートフォンから撤退する方針を示している。また、光ドライブ・ピックアップ事業では国内拠点の熊本工場への集約を完了。回路基板も、今期中に国内外6拠点を、山梨、台湾、ベトナムの3拠点に集約する計画。

この一方で、津賀社長は「新たな課題も出てきた」と指摘。中国の流通在庫の悪化などでエアコン事業が今期赤字に陥ることを明らかにしたほか、スマホに押されているデジタルカメラ事業の今期赤字額が一段と拡大する見通しを示した。

津賀社長は、これら2事業について「業績悪化が決定的になったので、新たな課題事業にする」と指摘。エアコン再建は年内にめどをつけ、デジカメは高付加価値商品への特化などで14年度の黒字化を目指すという。

また、赤字の減らない半導体事業については「固定費削減をやる」と強調。半導体前工程工場の3拠点(富山県魚津市、同県砺波市、新潟県妙高市)の再編が課題になっているが「これをどうするか、ありとあらゆる可能性を考えている」と述べた。

一方で、富士通<6702.T>と設計・開発の新会社を設立する計画のシステムLSI事業については、津賀社長は「ここにきて話が進んできている。(当初予定していた)13年度半ばは無理だが、14年度初めにはスタートしたい」との見通しを示した。

半導体の赤字は増加、小型2次電池は黒字転換

2013年4―9月期は連結当期損益は1693億円の黒字(前年同期は6851億円の赤字)だった。薄型テレビ、携帯電話、デジカメなどコンシューマ製品は落ち込んだが、住宅関連事業と車載関連事業の営業利益が増加した。

また4―9月期の課題事業の実績は、テレビ・パネル事業が256億円の赤字(前年同期は364億円の赤字)、携帯事業が76億円の赤字(同62億円の赤字)、半導体事業が61億円の赤字(同54億円の赤字)で、損失は依然として残った。

一方で、米テスラモーターズ用電池などを手掛けている小型二次電池事業部は前年同期の33億円の赤字から、71億円の黒字に転換した。

(村井 令二;編集 内田慎一)

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