保険業界採用動向、サブプライム潮目に採用手堅くとも選別は強化

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最低限の社会常識も欠如 顕著な学生の質の低下

しかしその一方で、このような企業の採用意欲に水を差すデータがある。それが図2に示した「人材の二極化傾向」といわれる学生の質を懸念する問題である。図2にあるとおり、「優秀な学生が増えている」と感じている企業7・2%に対して、「減っている」と感じている企業は59・5%にも上る。

では具体的に「優秀な学生が減っている」と感じている企業は、どのような点で「学生の能力が下がっている」と感じているのか。図3に具体的に示してみた。

まず、最も能力が下がっていると感じているのが「社会常識」だ。企業の回答から、そのコメントをいくつか紹介してみよう。

『まったく下調べもなく、事業内容も知らないまま会社説明会に参加した学生がいた』

『合同企業説明会などで、学生のほうからブースに来ているのにもかかわらず、本当に話を聞きたいという意欲や意志が感じられない。企業側が熱心に話しているのに、平気でそっぽを向いている学生が多く、礼儀やマナーに欠ける印象を受けざるをえない。要するに主体性が感じられない』

『会社説明会を連絡なしに欠席する学生が多い。書類の渡し方がわからない学生が多い。相手が文字を読めるように(自分から見ると)文字がさかさまになるように渡すことぐらい、小学生でもわかると思うのだが……』

ここで紹介したのは、ほんの一部にすぎない。就職活動と採用活動は、需要と供給という側面だけではとらえられない。よくお見合いや恋愛に例えられるように、「直接出会って互いをわかり合いたい」というニーズによって成立している側面が極めて大きい。

就職活動は人と出会い、人の話を聞き、人に話をする場面を抜きには成立しない。マニュアルとマナーを混同してはならない。マナーは自分らしさを放棄することではない。最低限の社会常識を持つことが、就職活動のスタートラインに立つことなのだ。


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