保険業界採用動向、サブプライム潮目に採用手堅くとも選別は強化

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さらに10年度入社の世代をマスでとらえると「ゆとり教育」の第1世代にあたる。十把一絡げにするつもりは毛頭ないが、一人で数百人と会う採用担当者の立場になれば、ゆとり教育世代の特徴についても意識せざるをえない。

09年度にすでに表れつつあるゆとり教育世代の兆候とは、「就職活動で迷ったときに人事や先輩社員に相談するのではなく、親や友人に相談することが多い」「親に喜ばれる企業を選ぶ傾向があるため、大企業志向が強い」というもの。そのため、『自分自身で会社を選択する学生の割合が減ってきている。両親の希望する会社を訪問して、親元から通勤できる環境を望む傾向にある』といった回答に、このゆとり教育世代の特徴が顕著に表れているとの指摘もある。 

では10年度の就活に向けて、学生が準備すべきことや取り組みとは、どのようなものなのだろうか。

図4は、09年度入社の学生が就活前半戦に「就職したくない業界」として挙げたワースト3である。しかしながら、就活終盤戦に前半戦のありがたくない評価を覆し、数多くの学生に内定を出した業界がある。その業界こそ「生命保険・損害保険業界」だ。内定=入社決定ではないので学生の最終的な判断ではないが、保険金の不払い問題などが影響したのか、当初はよいイメージを抱けなかった学生も、先入観を取り払って生損保業界への就活に乗り出していたのだ。

では生損保業界がなぜ学生を惹きつけることができたのか。その理由は、生損保業界のリクルーターや面接官の学生目線に立ったコミュニケーションスタイルだった。

会える社会人から会う 就活自体で磨かれる能力

ある大学関係者は「ゆとり教育世代の特徴として、ゼミでも物おじせず他人に話すタイプが多いが、話す内容が自分の知識の範囲でしかなく、非常に表面的だ」と指摘する。採用担当者が質的低下を懸念する要素である「社会常識」や「コミュニケーション能力」は、実は社会人の土俵に上がらねば磨かれない。学生がそのような土俵に上がるということは、社会人に積極的に会う、そして社会人の目線で話をするということだ。就職活動に成功した、すなわち満足度の高い就活ができたと総括する学生たちの多くは、「たくさんの社会人と話し、空気感を身をもって覚えたことが財産になった」と胸を張る。

会える社会人から会う、その姿勢が年明け本番にモノをいうといっても過言ではない。


(生保・損保特集編集部)
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