ビットコインの価格が急激に戻り始めたワケ 8月10日前後に「重要な決定」がある?

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下落していたビットコインの価格が戻り始めている。主に2つの理由があるようだ。なにか背後に動きがあるのだろうか(写真:Anesthesia/PIXTA)

ビットコインの価格が明らかに上昇し始めている。1単位70万円台前後でくすぶっていたが7月中旬辺りから反発基調を強めており、現在では6月10日以来となる90万円台を回復(7月24日夜時点)。100万円も視野に入っている。「ジリジリと上昇する」といった動きではなく、大口の買い戻しと思われるような動き(特に7月18日)で、一気に駆け上がった印象を受ける。結論から言えば、需給的な要因とETF(上場投資信託)組成に対する思惑がビットコイン価格を押し上げたと考える。

仮想通貨を売っていた大口投資家が買い戻した?

実は、直近、仮想通貨関連で伝わっているニュースとしては、どちらかというとネガティブなほうが多かった。たとえば7月10日はアメリカの調査会社のトレフィスが、年末のビットコイン価格予想を1万2500ドルから1万ドルに下方修正したことが、米経済誌への寄稿で明らかとなっている。

それでも、こうした環境のなか、ビットコイン価格は反発を強めた。材料としては以下の2つがあげられそうだ。一つ目は需給面である。お世辞にも良いとは言えない地合いでの上昇の背景としては「大口の売り方による買い戻し」が考えられる。

株や為替の世界では、年初来高値を更新したタイミングで上げ幅を広げるケースが多々見られる。これは、売りポジションを持っていた投資家が、高値更新のタイミングであきらめて買い戻しを入れるからである。売り方のポジションが多い銘柄ほど、こうした値動きは見られるので、株の世界では信用倍率は重要な指標である。

一方、仮想通貨の世界では、正直なことろ、売り方のポジションは見えない。それゆえ、今回の筆者の考えは推測の域を超えられない。それでも、昨年12月に米国のCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)、CBOE(シカゴ・オプション取引所)でビットコイン先物の売買が誕生して以来、ヘッジファンドなど大口の投資家による仕掛け的な売買は増加傾向にあると考える。

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