「立教大野球部」は勝つ組織にどう変わるのか 就任5年目の溝口監督が描く「常勝チーム」
時には、監督自らが厳しく叱責することも、同じことを何度も何度も諭すこともある。
「野球は失敗するスポーツです。エラーをしない人間なんかいません。自分がおかしなプレーをしたときこそ、耳を立てろと言っています。
うまくいかないことが普通で、だからこそ、そのときの対処が大事なんです。
失敗したとき、打ち込まれたとき、打てないとき、どうするか。大学以上のレベルになれば、人間性がしっかりしていないと野球はうまくなりません。大事なのは、ミスはミスとして認めること、謝るときにきちんと謝ること。そのあとに対処すること。
うまくいかないときに人間性が出ると思っています。だから、細かいことも言うんです。大事なこと、気になる点については言い続けなければいけない。そうしないとわからないですから」
この秋は本当に勝負のシーズンになる
5年目の秋のシーズンを迎える監督は自身の課題をどう考えているのだろうか。
「いまの選手たちは、褒めてやらないと伸びません。彼らが求めているのもわかっています。ただ、私はそれがうまくない。その自覚がありますから、結果が出ないときでも、プロセスやちょっとした変化を褒めるように心掛けています。
『できて当たり前』と思うのが自分の性格なのですが、そこがウイークポイントだと思っているので。まだまだヘタですが、少しずつやっています(笑)」
この秋のリーグ戦が正念場だと溝口監督は言う。
「2シーズン優勝を逃したことに対して、部員全員がどれだけ危機感を持てるのか。この秋に優勝できなければ3季空くことになるので、本当に勝負のシーズンです。私たちが戦うのは神宮球場ですが、実は、あの場でやることは多くない。
勝負どころでの采配はもちろん大切ですけど、選手たちがどんな状態で神宮球場に向かうかが気になります。
春のリーグ戦で優勝できなかったという結果を踏まえて何をするか。リーグ戦が始まるまでが勝負なんです」
秋のリーグ戦開幕まで1カ月余り。はたして、暑すぎる夏を越えて、立教大学野球部は「優勝が当たり前のチーム」になれるのか。
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