「昔は学校にエアコンなどないのが当たり前だった。今の子は今の子は軟弱だ」という意見は根強くあります。そこで、気象庁の「過去の気象データ検索」で調べてみました。
50年間で2.5度も上昇した平均温度
たとえば奈良県奈良市の1967年(50年前)の7月の「一日の最高気温」の平均は、30.5度でした。
そして、1987年(30年前・今の子育て世代が子どもだった頃)の7月の「一日の最高気温」の平均は、31.0度でした。
ところが昨年、2017年の7月の「一日の最高気温」の平均は33.0度です。
つまり、50年間で2.5度も上昇したのです。また、この30年間だけでも2.0度の上昇です。平均が2.5度も上昇したというのはすごいことです。しかも、上昇の度合いも上がっています。
また、たとえば愛媛県松山市の1967年(50年前)の7月の「一日の最高気温」の平均は、30.7度でした。
1987年(30年前)の7月の「一日の最高気温」の平均は、30.7度で、これは1967年と変わりがありません。
ところが昨年、2017年の7月の「一日の最高気温」の平均は32.6度です。
つまり、この30年間だけで1.9度も上昇したのです。
ついでに、7月の「一日の最高気温」の平均が30年間でどのように変化したか、気象庁のデータより、あといくつかアトランダムに調べてみたら、次のような結果が出ました。
福岡市は3.0度上昇
静岡市は1.1度上昇
長野市は0.5度上昇
横浜市は1.7度上昇
高知市は2.2度上昇
秋田市は2.3度上昇
札幌市は2.9度上昇
那覇市は1.6度上昇
ということで、もう十分ですね。このように、日本の気温は確実に上昇しています。ですから、「昔は学校にエアコンなどないのが当たり前だった。今の子は軟弱だ」などという意見は成り立たないのです。
ところで、なぜ主に奈良県と愛媛県を例に取ったかというと、この両県は最高気温が高いにもかかわらずエアコン設置率が低いという最悪な県だからです。それは、名古屋大学の内田良准教授の下記のリポートによって明らかです。
小中のエアコン設置 いまだ半数 暑くても設置率1割未満の自治体も 莫大な予算が課題(Yahoo!ニュース)※リポートの5番目のグラフに出ています。
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