都内でできる「豪雨被害支援」のささやかな形 アンテナショップで地道に買うということ

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新橋から次のショップ、広島県へと移動しよう。広島県は今回の災害で最も多い死者を出すなど被害が大きい。

東京メトロ銀座一丁目駅から出口を上がってすぐのところにあるのが「ひろしまブランドショップ TAU」

地下1階から3階までの4フロアを使い、広島をアピールしている。物販のほか飲食にも力を入れているのが特徴で、地下1階には広島産食材を使った創作和食レストラン「瀬戸内ダイニング 遠音近音(をちこち)」、3階に広島イタリアン「MERI Principessa(メリ プリンチペッサ)」があるほか、2階にも本場広島風お好み焼が味わえる「広島お好み焼 鯉々」まであるのだ。都内にいながら広島グルメが堪能できるわけだ。

もちろん、おなじみ広島東洋カープのグッズコーナーや、パッケージにカープ坊やをあしらった食品もそろっている。

ミニサイズ瓶であれこれ買うのもあり

また、左党に嬉しいのは2階「広島酒工房 翠(すい)」。広島は日本酒好きには聖地のひとつだ。兵庫県の「灘」、京都府の「伏見」、と並び、広島県の「西条」が日本三大酒処といわれているほど歴史がある。この「翠」には、日本酒だけでなく、広島県産のワインや地ビールまで揃っている。さらに、有料で試飲も可能だ。1杯150円~のほか、うれしい3杯飲み比べセットもある。1階で買ったつまみを持ち込むこともできるので、仕事帰りのちょい飲みにもいい。

こちらには、豪雨災害で被害を受けた酒蔵の名が表示してあったので、呉市にある蔵元の酒を買わせていただいた。四合瓶を買いたかったのだが、さすがに1人では何本も持ち歩けないため、300mlのミニサイズ瓶を数本選んだ。多くのショップでは、こうしたミニサイズ瓶やカップ酒、地ビールなどを扱っているので、単価が安い商品を組み合わせて買うのもいいだろう。また、店頭には酒たるを模した募金箱が置いてあり、すでに多くの支援の気持ちが詰まっていた。

今回の豪雨被害に遭ったのはこの3県だけではない。京都府や兵庫県、山口県、高知県、九州地方などでも亡くなった方がおり、西日本を中心に16もの都道府県に避難所が開設されていることも忘れてはいけないだろう。

これまでもアンテナショップを見かけると必ず入ってはいたが、改めて巡ってみると、日本全国あらゆる県で海のもの、山のもの、ジャムにチーズ、ソーセージ、そして酒類がいかに豊富かがわかる。酒も、それに合う地元のつまみも、そしてデザートのスイーツまで、アンテナショップに行けばなんでもそろうわけだ。

これから夏休みに向かい、人が集まる宴会やアウトドアの機会が増えるだろう。その時の酒やつまみ、食材は各県のアンテナショップで買い出しをし、支援の気持ちを共有してもいいのではと思う。

寄付にボランティア、ふるさと納税と、支援にはさまざまな形があり、それに決まりはない。復興の足しになるのなら、今後もちょくちょく買い物に行き、わずかながらおカネを落とせればと思っている。

松崎 のり子 消費経済ジャーナリスト

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まつざき のりこ / Noriko Matsuzaki

20年以上にわたり『レタスクラブ』『レタスクラブお金の本』『マネープラス』などのマネー記事を取材・編集。家電は買ったことがなく(すべて誕生日にプレゼントしてもらう)、食卓はつねに白いものメイン(モヤシ、ちくわなど)。「貯めるのが好きなわけではない、使うのが嫌いなだけ」というモットーも手伝い、5年間で1000万円の貯蓄をラクラク達成。「節約愛好家 激★やす子」のペンネームで節約アイデアも研究・紹介している。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)、『定年後でもちゃっかり増えるお金術』(講談社)。
【消費経済リサーチルーム】

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