「飲むクリスピーサンド」、不思議飲料の衝撃 ハーゲンダッツ、人気商品を丸ごとシェイク

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“飲むクリスピーサンド”とはいったいどのようなものなのか(筆者撮影)

日本のアイスクリーム市場を見ると、過去10年、販売量も右肩上がりだが、販売金額もほぼ毎年伸び続けている。2017年の販売量は約89万キロリットル、金額は5114億円で前年比103.5%増だ(日本アイスクリーム協会調べ)。

このアイス市場の拡大は、客層が子どもから高齢者までと広がっていることや、さらに、嗜好の多様化を背景に、食品業界全体の傾向である高級化、プレミアム化の流れに、アイスクリームも追随していることが要因として挙げられるだろう。たとえば小学生の味方「ガリガリ君」(税別70円)さえ、「ガリガリ君リッチ」(税別130円)や、「大人なガリガリ君」(税別100円)といった、リッチ志向の商品をラインナップして、プレミアム化の潮流に身を投じている。

ハーゲンダッツの新たな取り組み

そんななか、高級アイスの代表として確固たるイメージを築いてきたハーゲンダッツが、新たな取り組みを始めている。7月10日より、「クリスピーサンド」の新商品「ほうじ茶和の菓~黒糖仕立て~」(294円/税込み)を期間限定販売。それに合わせ、ポップアップショップとして「ハーゲンダッツ クリスピーサンド ビーチカフェ」を表参道のカフェ「モントーク」内にて、7月10~29日の期間限定でオープンしている。

表参道のカフェ「モントーク」内にて、7月10~29日の期間限定でオープンしている、「ハーゲンダッツ クリスピーサンド ビーチカフェ」。オープンから1週間目となる16日には、来店者数が4000人を突破した(筆者撮影)

実は同社では近年、プロモーションの一環としてポップアップショップに力を入れている。1984年に青山店を開店以来、ハーゲンダッツのショップは販売のチャネルとしてだけでなく、ブランド発信拠点としても機能してきた。最も多い時で全国に95店舗を展開していたという。

そして前述のようにリッチなアイスクリームとしてのイメージが定着。コンビニやスーパーでも簡単に購入できるようになった。この時点で、ブランド発信という役割をいったん終え、2013年4月の新浦安店閉店を最後に、ハーゲンダッツをショップで味わうことはできなくなった。

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