北朝鮮の「米国は強盗」声明には深い意味がある 「強盗のような要求」とは何なのか

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アメリカとしては北朝鮮と詰めなければならないことがある。大きく次の4項目だ。

<1> 北朝鮮による核兵器廃棄の「決定」
<2> 決定の実行。核弾頭の解体、関連施設の廃棄のほか、平和目的利用への転換や核廃棄物の処理なども含む
<3> 非核化の「申告」。「非核化」の決定と実行について北朝鮮政府がIAEA(国際原子力機関)に申告する
<4> 申告の「検証」。申告内容が正確かどうか検証する

「正式な意思決定」をしたかどうかが不明

まず、核兵器廃棄の「決定」。金正恩委員長はトランプ大統領との会談に先立って、「非核化」の意思を示していたことは周知のとおりである。トランプ大統領との会談でも、改めてその考えを説明したはずだ。

会談後の共同声明では、「金正恩委員長は、朝鮮半島の非核化についての確固とした、揺るぎないコミットメントを再確認し」「北朝鮮は非核化に向けて進むことにコミットする」と記載された(第3項)。

にもかかわらず、政治体制の違いから、北朝鮮は「非核化」の決定を正式に行ったかどうか、不明と言わざるをえない。そこで、米側としては、正式の決定が、いつ、どのような内容で、どのような手続きで行われるかを確認する必要がある。余談だが、その確認が行われるまで、ワシントンなどでは、北朝鮮は本気で「非核化」を実行する意思がないという懐疑論が消えないだろう。

なお、北朝鮮の現憲法は北朝鮮を核保有国と明記しており、「非核化」すればその改正が必要となる。憲法改正を行うのは最高人民会議であり、北朝鮮はこれを予定より早く開催するともいわれている。いずれにしても、憲法改正自体はここでいう「非核化」の決定でなく、確認的なことであろう。

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