アメリカとしては北朝鮮と詰めなければならないことがある。大きく次の4項目だ。
「正式な意思決定」をしたかどうかが不明
まず、核兵器廃棄の「決定」。金正恩委員長はトランプ大統領との会談に先立って、「非核化」の意思を示していたことは周知のとおりである。トランプ大統領との会談でも、改めてその考えを説明したはずだ。
会談後の共同声明では、「金正恩委員長は、朝鮮半島の非核化についての確固とした、揺るぎないコミットメントを再確認し」「北朝鮮は非核化に向けて進むことにコミットする」と記載された(第3項)。
にもかかわらず、政治体制の違いから、北朝鮮は「非核化」の決定を正式に行ったかどうか、不明と言わざるをえない。そこで、米側としては、正式の決定が、いつ、どのような内容で、どのような手続きで行われるかを確認する必要がある。余談だが、その確認が行われるまで、ワシントンなどでは、北朝鮮は本気で「非核化」を実行する意思がないという懐疑論が消えないだろう。
なお、北朝鮮の現憲法は北朝鮮を核保有国と明記しており、「非核化」すればその改正が必要となる。憲法改正を行うのは最高人民会議であり、北朝鮮はこれを予定より早く開催するともいわれている。いずれにしても、憲法改正自体はここでいう「非核化」の決定でなく、確認的なことであろう。
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