問題商法に鉄槌下る NOVAの前途多難

問題商法に鉄槌下る NOVAの前途多難

語学教室では初めて特商法に基づく業務停止処分が下された。NOVAの巧妙な手口とは?(『週刊東洋経済』6月30日号より)

英会話教室最大手のNOVAは、経済産業省から一部業務停止命令を受けた。契約や解約の方法などが特定商取引法に違反したためだ。今後6カ月間、1年を超えるコースの新規契約などが行えない厳しい内容だ。

「極めて厳粛、真摯に受け止めており、深くお詫びします」。6月13日の大阪市内での会見で猿橋望社長は深々と頭を下げた。弁護士3人を同席させた猿橋社長は時折、その助言に耳を傾けながら、慎重な発言に終始した。

NOVAをめぐるトラブルの大多数は、契約時の問題に起因する。千葉県内の教室に娘を通わせていた30代の主婦は「NOVAはいろいろなことが説明不足」と憤る。この主婦はテレビ電話装置の支払い時に、説明にない回線費約3000円を請求された。光熱費と称する費用も突然突きつけられ、たまらず昨年4月に解約を申し出た。

ポイント制に苦情続出

中途解約時のトラブルも絶えなかった。売り物の一つであるポイント制は、生徒が事前に購入するポイントが多いほどレッスン1回当たりの単価が安くなる仕組み。しかし解約の際には、契約時の単価と異なる生徒に不利な単価を押し付けていた。

また、ポイントの有効期限設定も問題。「短期間に教室を増やしすぎたため、講師の数が追いついていない」(横浜市内の教室に通う50代男性)と予約が困難な状況が多発。にもかかわらず、生徒が消化できないポイントは、最初の3分の1が契約日から1年、次の3分の1が2年、最後の3分の1が3年でそれぞれ自然消滅してしまう。こうした有効期限は「2005年10月に廃止した」と同社は説明。が、「今年4~5月に寄せられた苦情で圧倒的に多いのが、この有効期限に関する内容」と、東京都消費生活部の柴田義之氏は話す。

今年4月には解約の精算方式が特商法に違反するとして最高裁で敗訴が確定。厚生労働省からは、勤労者の受講料を補助する「教育訓練給付金制度」の指定を取り消された。生徒離れに拍車がかかるのは必至。06年3月期来の赤字脱出は困難な情勢だ。

コンプライアンスが浸透しなければ、単独での再建も厳しくなる。まずは引責辞任を否定する猿橋社長が自ら”けじめ”を示す必要がある。

(書き手:梅咲恵司、山本直樹、中村 稔)

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