ドラレコ品切れ続出!「爆売れ」止まらぬ理由 カー用品店で派手に展開、保険会社も熱視線

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車内外の様子を360度撮影できる「ダクション360」(写真:カーメイト)

価格帯は、中国など海外メーカーが中心の5000円台というものから、5万円近い高級品まで幅広い。最近は高付加価値商品の人気が高く、オートバックス全店における2017年の平均購入単価は1万8000円と、前年より2000円ほど上昇した。店舗以外にも、新車購入時に自動車ディーラーで買う人も増えているようだ。

販売台数で先頭を走るのが、車載用品などを展開するJVCケンウッドだ。競合の中では後発となる2014年の参入だが、旧日本ビクター(JVC)が持っていたビデオカメラなどの光学技術を強みとする。フルハイビジョンの1.8倍の解像度で、ナンバープレートや標識の文字を正確に記録できるのがウリだ。現在は市販に加え、自動車ディーラー向けの販売が拡大。これが貢献し、2017年度の同社の車載事業売上高は前期比16%増の1728億円に拡大した。2018年度もディーラー向けを中心にさらなる成長を見込む。

高齢ドライバーの支持を集めている

いったい、どのような人がどんな目的で買っているのか。JVCケンウッド・アフターマーケット事業部で商品企画を担当する吉川悟史・課長主事は、こう分析する。「圧倒的多数が50~60代で、万が一の事故のときに記録を残すのが一番の目的。意外と多いのが、高齢の親御さんにお子さんがプレゼントする例だ。走行中の映像を記録することで『こんなに危険な運転をしているんだ』と自覚してもらい、事故を起こす前に免許返納を促すきっかけになっている」。

JVCケンウッドのドラレコは、旧日本ビクターの光学技術を生かし、高精度映像の撮影を可能にした(写真:JVCケンウッド)

ただ、実際に事故が起こった際の効力には注意が必要だ。JVCケンウッドの製品の外箱には、「本製品は、事故の証拠として裁判などで効力を保証するものではありません」と明記されている。SDカードなどの記録媒体を通して映像データに簡単にアクセスできるため、改ざんされる可能性もあり、必ずしも正式な証拠として認められるとは限らないのだ。

また、運転の記録映像は記録媒体の容量に応じて上書きされてしまううえ、高齢の利用者には記録媒体の扱いが難しいこともある。正しく活用するのは簡単ではない。

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