SUV人気のマツダが新型アテンザに託す使命 旗艦セダン、国内月販目標は「控えめな」500台
世界の自動車市場をSUV(スポーツ用多目的車)が席巻する中、セダンの存在意義はどこにあるのだろうか。
マツダは大幅改良を加えたフラグシップセダンの新型「アテンザ」を6月21日に発売した。内外装のデザインを一新し、ガソリン・ディーゼルエンジンもグレードアップした。安全運転支援システム「i-ACTIVSENSE」の機能を向上させ、従来30~100km/hだった先行車追従は全車速で可能になった。
価格はベースグレードのガソリン車が282万9600円、革内装の最上グレードのディーゼル車(Lパッケージ)が419万0400円。セダンとワゴンの2種類を同じ価格で展開する。
滑り出しは順調だが
5月からの予約受注台数は6月17日時点で約1600台と、月間販売台数目標の500台を大幅に上回り、順調な滑り出しに見える。年初から山口県の防府第2工場で生産が始まった新型アテンザ(海外名:Mazda6)は、主戦場の米国で5月に発売。同月だけで約4400台を販売した。今回の大幅改良を機に、前年同月比で64%増という勢いを見せた。
だが、世界的なSUVブームのあおりを受け、セダンは冬の時代にある。マツダにとって最重要市場の米国では、セダン需要は年々縮小。今や新車販売の6割以上はSUVやピックアップトラックなどの大型車だ。米国におけるMazda6の2017年の販売台数は約3万3000台と、この10年のピークである2015年の約5万8000台に比べ4割以上も減った。
国内の市場環境も厳しい。トヨタ自動車が2017年7月に発売した上級セダン「カムリ」のうたい文句は「セダン復権!」だ。今年3月までは月間販売目標の2400台を達成したが、4月と5月は半分の水準まで落ち込んでいる。競合車種のこうした状況にマツダも、新型アテンザの国内目標販売台数を月間500台と慎重に設定した。旧型アテンザの月間販売台数が350~400台であることを踏まえても控えめだ。
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