転職失敗「出戻り社員」が超有望であるワケ 恥を忍んで戻る人の「覚悟」はいかほどか

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ただ、一度は会社に不満を持ったり、何らかの理由で辞めていった人です。本当に再雇用して、社内から反対意見は出ないのでしょうか。

「辞めた会社に戻りたいとは甘えているんじゃないか?」

と、懐疑的な意見が出るのは出戻りたい当人もわかるでしょうから、それなりの覚悟は必要。それを踏まえたうえで、それでも戻りたいと覚悟をし、「手をあげた人」が、再雇用の検討を前進させる1つの条件となるのかもしれません。

「出戻り再雇用」を行う傾向は続いていく

いずれにしても人手不足に困る会社は、その状況を改善するため、「出戻り再雇用」を果敢に行う傾向は続いていくでしょう。

そこで想定されるのが、先述した「アルムナイ」(辞めた社員ネットワーク)の活用。SNSなどを活用して会社の退職者(最近は卒業生とも呼ばれます)のゆるやかなやつながりを通じ、情報交換や交流を行うこと。

アクセンチュアやサイボウズによるネットワークも有名です。そのメンバーに求人や各種イベントの招待、サービスのディスカウント、ビジネスのアイデア共有などの情報が頻繁に提供されているようです。

そうしたネットワークから手があがり、再雇用につながることを、会社は多少なりとも期待しつつ運営がされています。

筆者の前職リクルートも、卒業生のつながりがいくつも存在します。有名なネットワークがMR会。「もとリクルート会」の略称で、ネット上や交流会を通じて、卒業生が情報交換や交流を深めています。

ただし、ここは会社が介在して運営がされているわけではありません。あくまで卒業した後のお互いの仕事やプライベートの充実が目的です。

そうした自主的な、“勝手連”的なものではなく、会社が主催するアルムナイのネットワークの広がりは、これから相当に進んでいくと予想します。会社の取り組みは少しずつ徐々にという状況ですが、新たな採用の手法としても、注目度が上がっていくのは間違いありません。

高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

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たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

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