イオン、ウナギの代替で豚バラ肉を売る事情

小売り大手が挑む「資源保護」の取り組みとは

昨今の乱獲などが原因で、ニホンウナギの稚魚採補量は減少傾向が続いている。今年日本で養殖場に供給された稚魚の量は輸入も含めて約14トンと、2013年以来の少なさだった。こういった要因から、2000年ごろには年間約16万トンだったニホンウナギの国内供給量は、最近は年間5万トンの水準にまで落ち込んでいる。

GMSや食品スーパーは、これまで主に扱ってきた二ホンウナギの生産量が減少している影響をまともに受けている。イオンでは、ウナギの販売量は2001年をピークに下降線をたどる。足元ではピーク時の約10分の1にまで減少した。 

資源保護や安定調達に乗り出す

輸入物に頼ろうにも、二ホンウナギだけでなく、中国で養殖が増えているアメリカウナギも、国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧種に指定されている。IUCNの指定には法的拘束力はないものの、野生生物の国際取引を規制するワシントン条約が保護対象の参考にしている。すでに同条約によりEU(欧州連合)が輸出入を禁止しているヨーロッパウナギと同様に、ニホンウナギやアメリカウナギの国際取引を規制する動きが、今後いっそう強まる可能性もある。

6月下旬、イオンの店舗ではサバのかば焼きの試食販売が行われていた(記者撮影)

イオンは目下、2012年に販売を開始し、現在販売量の約30%を占めているインドネシアウナギ(ビカーラ種)の取り扱いを増やすことで対応している。インドネシアウナギは二ホンウナギと見た目がほぼ変わらず価格も割安だ。ただ、IUCNが準絶滅危惧種に指定していることから、むやみに販売量を増やしていくわけにはいかない。

 こうした危機的な状況を受け、イオンは代替品の開発強化だけでなく、ウナギの資源保護や安定調達に向けた取り組みも本格化する。

販売するウナギの種類は、今年から二ホンウナギとインドネシアウナギに限定。そのうえで、インドネシアウナギについては、絶滅させないためのプロジェクトを推進する。世界自然保護基金(WWF)ジャパンやインドネシアの大手養殖事業者と連携し、稚魚を取りすぎないように、環境に配慮しながら安定調達するための資源管理計画を策定する。

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