「ゴルフは認知症予防に役立つ」という新事実 シニア層に受け入れられるスポーツになるか

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埼玉県日高市にある日高カントリークラブ(筆者撮影)

この6カ月の実験後、3月23日の中間報告で、「ゴルフグループ」がゴルフをする前とした後の記憶検査において単語記憶が6.8%UP、論理的記憶が11.2%UPと有意な機能向上がみられ、ゴルフをすることによって記憶力が改善されたことが証明された。

【7月5日13時25分追記】記事初出時、「ゴルフグループ」と「ゴルフをしない健康管理グループ」の間の記憶検査としていましたが、「ゴルフグループ」がゴルフをする前とした後の記憶検査の誤りでしたのでお詫びして訂正いたします。

認知機能低下の予防には、有酸素運動と認知課題を同時に行うデュアルタスク運動(運動しながら頭を使う)が効果的とされてきており、これを兼ね備えているゴルフは願ったり叶ったりのスポーツと言える。さらに、今回の実験でわかるようにゴルフ経験のない、シニア層にも受け入れられるということである。

このゴルフ社会実験の場を提供した、埼玉県日高カントリークラブの総支配人の平沼正史さんにもお話を伺った。

「日高CCはメンバーコースですが、今回の実験については社会的に良い活動ということでメンバーの理解・協力があった。

日高CCの平沼正史総支配人(筆者撮影)

また、実験に参加された方々も、評価が終わった後も、同窓会的な集まりができ、継続的にゴルフをしていて、本物のゴルファーが育っている」とのことであった。

未経験のシニアでもゴルフの楽しさを体験すれば、新しいゴルファーとなりえる。

高齢者が新たにゴルフを始めるきっかけになるか

ゴルフ業界の集まりであるゴルフ市場活性化委員会も「始めよう、続けよう、もっとゴルフを」のスローガンに、少子高齢化の厳しい中で2004年からゴルフ市場の縮小を少しでも抑制するための活動を続けている。

その中で「始めよう」はどうしてもゴルフ未経験のジュニア、女性、若者のイメージで活動してきているが、シニアにとってもゴルフが健康増進と認知症予防になることを考えれば、60歳になっても、70歳になっても新たにゴルフを始めるきっかけになる。

ゴルフは3世代でも同時に楽しめるスポーツである。さらに、ゴルフで認知症に関わる14.5兆円にのぼる社会負担が少しでも軽減できれば、社会貢献にもなる。ゴルフ未経験の祖母や祖父をゴルフに誘って、人生100年時代を一緒に楽しんでは。 

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