社外役員、「高報酬なのに機能不全」の大矛盾

精通できる時間はなくお友達人事で責任軽い

日本で社外取締役が機能しない理由は何か(写真:xiangtao/PIXTA)

「死んでしまえ」

データ改ざん問題で揺れる神戸製鋼の工場内では、日常的にこうした上司の部下に対する罵倒が響き渡っていたことが毎日新聞(2018年6月5日付)によって明らかにされた。

神戸製鋼の不祥事は今回が初めてではない。不正に対して誰もNOと言えない状況は、さかのぼれば2005年の「橋梁談合事件」、2006年の「大気汚染防止法の基準値超過」でも問題視されており、2016年には、不正の再発防止対策をアピールするため、「監査等委員会設置会社」に移行している。

移行した場合、社内に3名以上で構成される「監査等委員会」をつくり、委員会のメンバーの過半数を社外取締役で構成する必要がある。彼らには、「経営層の不正を防ぐ役割」が期待されていたが、残念ながら神戸製鋼では、うまく機能しなかったようである。

それも致し方ないと筆者は考える。当時、社外取締役から監査等委員会のメンバーに選ばれたのは、みずほコーポレート銀行(現・みずほ銀行)の副頭取からオリコ会長になった沖本隆史氏、パナソニックの元取締役の宮田賀生氏、弁護士の千森秀郎氏の3名。長い間、神戸製鋼と利害関係にある会社で働いていた沖本氏(みずほ銀行は神戸製鋼の株主)と宮田氏(パナソニックは神戸製鋼の取引先)が外部の視点から神戸製鋼の問題を指摘できるのかは疑わしい。

また、もともと社外監査役(取締役の職務の執行を監査する役割)だった沖本氏を社外取締役に選んだ経緯も不自然だ。制度上は問題ないが、経営のチェック機能を強化したければ、より独立性の高い人間を採用するのが適切だろう。

現在、社外取締役を2名以上置く上場企業は9割弱。神戸製鋼のように社外取締役の独立性を欠く人事は、ほかの企業でも多く見受けられる。社外取締役が機能しない問題は、決してひとごとではない。

「社外取締役」とは何か

そもそも社外取締役の役割とは何か? シンプルに言えば、だいたい月1回の頻度で取締役会および委員会に参加して意見を述べるのが彼らの仕事である。たとえば取締役会で、社内取締役が決めた経営方針に客観的立場から意見を述べたり、業績や検査内容の改ざんなど違法行為を見つけた場合にそれを指摘したりする。

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