社外役員、「高報酬なのに機能不全」の大矛盾

精通できる時間はなくお友達人事で責任軽い

3.社外取締役の責任が追及されづらい

法律上、社外取締役は社内取締役と同じ責任義務を負う。取締役会の議題だけでなく、経営陣の業務執行が適正であるか監督を怠ったとして善管注意義務違反になった場合、1年間の報酬の最大2倍を損害賠償として請求される。しかし、賠償金はD&O(会社役員賠償責任保険)が支払うケースがほとんど。社外取締役の責任を直接追求されることはまれだ。

解決策は何か?

では何を改善すれば、日本でも社外取締役のチェック機能が正常に働くのだろうか? いちばんにメスを入れたほうがいいのは、その規定だろう。

アメリカやイギリスは取締役会の過半数が社外取締役で占められているだけでなく、監査をチェックする監査等委員会の全メンバーが社外取締役である。さらに、メンバーの1人は会計士(財務専門含む)でなければならないという規定がある。

最近、アメリカでは社外取締役に権限を与えすぎたことで自らが不正を行うケースも目立っているが、それでも前述したとおり社外取締役により不祥事が抑制されている効果は明らかである。

今後は本格的な社外取締役の義務化が促進し、ますます社外取締役が不足することが予想される。イギリスでは人手不足の問題を、人材育成や研修を充実させることで解決した。それによって日本のように1人の社外取締役が数社兼任し情報収集の時間がなく、監査・監督が十分にできないという問題が解消された。

欧米の企業では社外取締役が中心になっているのに対して、日本ではまだ社内の取締役が中心になり自らをチェックしている状態にある。上記のような改善を行わなければ、日本の社外取締役制度は機能不全を起こしたままだろう。

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