株主総会で「人事案」の行方が注目される会社 機関投資家が厳しい目を向けている
6月14日のトヨタ自動車を皮切りに、3月期決算の株主総会が本格化する。今年の株主総会は何に注目すべきだろうか。
まさに薄氷の勝利だった──。
4月26日に開かれた積水ハウスの株主総会。阿部俊則会長の再任議案は69%という賛成率だった。90%を下回ると、何かあったのか、とされる日本の株主総会では異例の水準。総会業務に詳しい関係者は、土地取引に絡んだ詐欺事件や前会長の退任経緯などの不透明さに、「多くの機関投資家がノーを突きつけた結果だろう」と分析する。
不祥事に揺れた企業をどう評価するか
2017年は出光興産や黒田電気など、経営陣と創業家やファンドの対立に注目が集まった。2018年の焦点は不祥事に揺れた企業の「ガバナンスをどう評価するかだ」と株主情報関連のコンサルティングを行うIRジャパンホールディングスの寺下史郎社長は指摘する。
この1年足らずの間に、上場企業で組織的な不祥事が相次いだ。神戸製鋼所や三菱マテリアルなどの品質検査データの改ざん。日産自動車やSUBARUが完成車検査を無資格者によって行っていた問題。大手ゼネコンはリニア工事、中堅ゼネコンは道路の舗装工事関連で談合を摘発された。
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