米朝首脳会談「段階的な非核化」を巡る攻防 2人が会って最初の1分で答えは出る
トランプ米大統領と金正恩・朝鮮労働党委員長が6月12日、シンガポールで首脳会談に臨む。史上初の会談では何が話し合われ、何が焦点になるのか。
「うまくいかない可能性もかなりある。しかし、時間がかかることになる可能性のほうがもっと高いだろう。プロセス(の始まり)になるだろう」
9日、カナダ・シャルルポワのG7首脳会談を中座して、シンガポールに向かう直前、トランプ大統領は記者会見でこう語った。
トランプ大統領が、米朝首脳会談が「プロセスの始まりだ」と言い始めたのは、6月1日に、大統領執務室で、金委員長側近の金英哲・党副委員長と会った直後からだ。
トランプ大統領「会談は始まりだ」
トランプ大統領は「会談は(非核化交渉の)始まりだ」「『最大限の圧力』という言葉は使いたくない」と北朝鮮側に配慮する姿勢をみせ、会談の成果についての期待値を下げようとし始めた。
会談では実際に何が話し合われるのか。トランプ政権に近い関係者が明かすのは、思った以上に準備交渉が進んでいる内実だ。
関係者によると、「議題で、いちばんのプライオリティーは『非核化交渉』に置かれている。それ以外の議題には、『ICBM(大陸間弾道弾)』『非ICBM』『化学・生物兵器の禁止』『拉致問題』が上がっている」という。
非核化交渉では、大まかにどのような方式をとるのかが議論されている模様だ。
そして興味深いのは、関係者によると、トランプ政権内では、「10年以内の段階的な非核化」という案が浮上しているという。
もともと、トランプ政権は、即時の非核化を唱えていたが、「段階的な非核化」を主張する北朝鮮側との交渉の末、いまは「10年以内の段階的非核化」に傾いているという。
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