日本株は米朝首脳会談後、上昇するのか

今週は日米欧の政策決定会合などが目白押し

ECBのマリオ・ドラギ総裁は、10月以降の買い入れの方針は、市場の混乱を避けるため、直前ではなく十分前に決定し公表する、と以前語っている。したがって、具体的な10月以降の買い入れ額(減額することはほぼ必至で、買い入れゼロにする可能性も高い)を、今週公表することは、完全には否定できない。特に6日(水)に、ピーター・プラートECB専務理事が、ベルリン市内の講演で、今週の理事会において「資産購入を徐々に減らしていくことが妥当か議論する」と述べたため、「6月決定説」が力を得た状況となっている。

筆者は、ECBにとっても、イタリアやスペインの政治情勢を含め、不透明要因が多いため、10月以降の債券買い入れ額についての議論が今週あっても、決定は7月26日の会合になると予想している。その予想通りになれば、決定は先送りという形で主要市場の波乱要因とはならないだろう。もし今週決定となっても、プラート発言がその可能性を市場に十分織り込ませてしまったため、やはり市場を大きく揺るがすことにはなるまい。

日銀は今回、何らかの布石を打つ?

一方、日本では、14日(木)~15日(金)に、日銀の金融政策決定会合が開かれる。ここで何か金融政策の変更があると見込む向きは皆無だろうし、実際何もないだろう。ただ、一部報道で、物価上昇率がなかなか高まらない背景の分析を始める、と伝えられている。筆者は、これは先行きの金融政策の微修正に対する布石だと解釈している。

つまり、「物価上昇率は高まらないものの、その物価抑制要因は実は金融政策とは関係が薄いものだ」、という結論であれば、日銀がこれ以上緩和的な政策を続けても、効き目が余りない、ということになる。

一方、低金利環境が貸出金利の低迷を通じて、金融機関の経営を圧迫している。そうした「副作用」についての言及は日銀幹部から増えてきている。金融政策のメリットが余りなく、デメリットが気になる、ということであれば、いずれ金融政策の修正が行なわれると予想できる。

ただ、物価に関する議論が今週の会合から始まったとしても、それが取りまとめられるのは、7月30日(月)~7月31日(火)の金融政策決定会合と同時に公表される「経済・物価情勢の展望」(いわゆる「展望レポート」)のタイミングだと見込まれるため、金融政策の修正が市場で取りざたされるのも、その後となりそうだ。

こうして今週の国内株式市場を巡る投資環境を考えると、特に大きな材料が降りかかってくるとは想定しがたい。ただ、日本の株価の方向性が上か下かと言えば、足元の企業業績は全般には増益(現在の円相場を前提としても)で、予想PER(株価収益率)などでみた株価の割高さは全くない。こうしたなかで今週は、述べてきたような多くのイベントを確認しながら、そろりそろりと株価が上値を探る展開を予想する。

こうした点を踏まえ、今週の日経平均の予想レンジは、2万2500円~2万3100円とする。

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