副業の手取りを高くしたい人に教えたい基本 個人が会社をつくったら節税できるのか

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ただし、年間給与収入が2000万円を超えているなど、もともと確定申告義務のある人や、医療費控除を受けるなどで確定申告をする人は、A)からE)が20万円以下であっても確定申告をして納税する義務があります。

まずは、給与以外の収入に課される所得税の区分について、若干専門的ではありますが、節税に関する部分ですので知っておく必要があります。

所得税法では所得の種類を10種類に分類しています。

(1)利子所得
(2)配当所得
(3)不動産所得
(4)事業所得
(5)給与所得
(6)退職所得
(7)山林所得
(8)譲渡所得
(9)一時所得
(10)雑所得

A)は給与所得、B)は不動産所得、C)は譲渡所得、D)は雑所得、E)は、副業として行っている場合には雑所得、独立して営利性をもって反復継続し、社会的地位から見て事業として行っている場合には、事業所得となります。

副業、兼業を行う際、どのような形態をとりうるのか?

また、兼業・副業を行う際の形態には以下の3つが考えられます。

(Ⅰ) 雇用契約により副業先の従業員となる〔A)のケース〕
(Ⅱ) 個人事業主としてB)〜E)の事業を行う
(Ⅲ) 自身が法人を設立して会社でB)〜E)の事業を行う

それでは、形態ごとの課税などの関係を見ていきましょう。

まず、(Ⅰ)の雇用契約で副業先の従業員となる場合ですが、副業先での勤務が原則30時間を超える場合には、副業先でも社会保険料を支払う必要が生じます。また、額面額が年20万円を超えるようであれば、本業の給与と合算して確定申告をする義務も生じます。

つづいて、(Ⅱ)の個人事業主として行うケースですが、いずれも給与として受け取るわけではないので社会保険料の負担はありません。

この中で、B)の不動産投資の場合には、青色申告を行うことで青色申告特別控除を受けることが可能です。また、損失が生じた場合には、本業の給与からその損失を差し引いて税額を計算することが可能です。

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