加熱式たばこiQOS「次の狙いはインド」の必然 政府機関へ積極的なロビー活動
「未来に賭けるということだ」と、マクギル氏は述べた。「インドのフィリップモリスにとっては、非常に大きな見返りが長期的には得られる可能性がある」。
iQOS等のフィリップモリスの所謂健康リスク低減製品は、同社が昨年38億米ドルの純収入を達成するのに役立った。その前年、純収入は7.39億米ドルに過ぎなかった。
2つの関係筋によると、インドでのiQOSの展開への支援を集めるために、フィリップモリスは影響力を持った人々への接触を図ろうと計画している。iQOS発売以前にこの喫煙具への公衆の支持を表明できるような人々である。
たばこより有害度が低いとしても有害ではある
それでも、フィリップモリスがインドでの許可を求めるのであれば、政府を納得させなければならない。インド政府は、近年、たばこ税を上げ、たばこのパッケージ上の健康警告を大きくするようたばこ会社に命じ、禁煙ヘルプラインを立ち上げている。
ムンバイ近郊に拠点を置くヒーリス・セクサリア公衆衛生研究所のプラカシュ・C・グプタ所長はフィリップモリスの計画を非難する。
「フィリップモリスは数種の有害成分が従来のたばこよりも少ないと指摘しているが、だからといってその製品の安全性が立証されたわけではない」と、グプタ所長は言った。「iQOSは裕福な若者たちに使用されることになるだろう。そしてそれは、公衆衛生にとって有害なことだ」。
フィリップモリスは、たばこよりも有害度が低いとして、米国食品医薬品局 (FDA) にiQOSの米国での販売許可を申請している。1月にFDAの顧問団は、iQOSがその使用者を有害な化学成分に触れさせる度合いが従来のたばこよりも低いことを認めたものの、そのような化学成分への接触が減じられたことが疾患や死の計測可能な減少に相当の確率で結果し得るのかをフィリップモリスが示さなかったと付け加えた。