スバル、またもや927件不正発覚の異常事態 1カ月の再調査で「ウミ」を出し切れるのか
不正に関する同社の会見はこれで4回目だ。最初は2017年10月だった。群馬製作所で完成検査に無資格の検査員が従事していたことが発覚。日産自動車の完成検査問題を受けた社内調査が発端だった。調査の結果、正規の完成検査員のハンコを使い回す「代行押印」が1980年代には始まっていた可能性があることが明らかになる。完成検査員の資格取得時の社内試験で事前に答えを教えるといったずさんな運用も問題になった。
2017年12月に国土交通省に報告書が提出されて収束したかに見えたが、その直後、完成検査時の燃費・排ガスデータ測定において、データの改ざんが行われていた疑いが浮上した。2017年度末には決着をつけると言っていた社内調査は難航し、今年4月27日にようやく国交省に最終報告書が提出されたばかりだった。
社内調査では判明しなかった不正
しかし、6月5日、国交省による抜き打ち監査(5月14~16日)では、社内調査で判明した事案以外の状況でも、不適切なデータを取り込んでいたことが明らかになった。
石井啓一国土交通相は、「4カ月も社内調査をしていたにもかかわらず新たなデータ書き換えが判明するということは、スバルの全容解明にかかわる姿勢に疑問を持たざるを得ない」とコメント。スバルに対し、徹底的な調査を行い、今後1カ月をメドに報告するように求めた。スバルは今後、不正の実態や原因について再調査を行う。
最初の不正発覚からすでに7カ月。スバルは再発防止策を発表し、企業風土改革に取り組んでいるはずだが、五月雨式に問題が発覚している。
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