しなの鉄道「車両戦略」のスゴい中身 中古は懐かしの塗装、新車は有料ライナーに

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今年3月には軽井沢駅に駅ナカ施設「森の小リスキッズステーション」が全面開業した。また、新幹線と乗り継ぐ改札口前に長野産の食料品などを売る商業ゾーンがオープン。改札内には野菜やフルーツの売り場、遊戯施設を設け、家族3代で楽しめる場所に仕上げた。全国有数の観光地として知られる軽井沢には年間840万人が訪れる。その観光客の懐を狙う作戦だ。

軽井沢駅の東側に所有する土地は活用の余地がある(筆者撮影)

さらに、現在遊休地となっている同社の保有する駅東側の信越本線跡地をデベロッパーに貸すことで、賃料収入につなげる構想もある。もっとも足元の資材価格の高騰などを受け、開発が始まるとしても2020年の東京五輪・パラリンピックの開催後になりそうだ。

台湾との連携で「台鉄風塗色」登場に期待

急増する外国人観光客の取り込みに向けた海外との連携にも本格的に着手した。3月に台湾鉄路管理局(台鉄)との友好協定を締結。双方の「田中駅」の姉妹駅協定も結んだ。特に軽井沢は台湾からのリピーターに人気があるといい、同社線沿線の観光地へ台湾からの旅行者を呼び込む施策を展開する。

今後運行を予定する「台鉄風塗色変更車両」は台湾の鉄道ファンからも注目を集めそうだ。デザインについてはこれから台湾側と調整を行うが、台鉄の特急車両「EMU300型」の黄色とオレンジの車体カラーが有力とみられる。

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