これほど深刻な悪影響があるにもかかわらず、こういう親によるハラスメントは未だに「あっても仕方のないこと」と思われています。ひと言で言えば、「子どものために言っているのだから仕方がない」というわけです。そして、先ほどあげたハラスメントをする人の5つの共通点が多くの親にも当てはまります。
2.子どもが今どれだけ苦しんでいるか、そして将来にもわたって苦しむ可能性があることを理解できていない
3.この程度のことは親子なんだから当たり前と思っている
4.親は子どものためだと思い込んでいる
5.多くの場合、子どもは自分が悪いから叱られるのだと思っている。また、下手なことを言えばますます叱られると思っている。子どもが自分から被害を訴えるのは難しい
「子どものため」は都合のよい言い訳
「子どものため」というのは親にとって都合のよい言い訳にすぎず、本当は自分のためなのです。つまり、自分のストレス解消、自分の攻撃性の発散、子どもを通しての自分の欲望の達成(行儀のよい子なら親は自慢できる、など)、自分の優位性の確保(マウンティング)のためなのです。
そのことに気づいてほしいと思います。親という圧倒的に優位かつ権力的な立場を笠に着たハラスメントは許されないことなのです。
親と子という立場の違いはあるにしても、1人の人間同士であることに変わりはありません。子どもを1人の人間としてリスペクトして、言葉も含めて丁寧な接し方をしましょう。そうすれば、子どもも自分の存在を肯定できるようになり、がんばるエネルギーも湧いてきます。親に対する信頼感も高まり、それが他者一般への信頼感につながります。
私たちは、ニュースを見ながらセクハラやパワハラの加害者に憤りを感じます。でも、実は自分が子どもに同じようなことをしているかもしれない、ということには思い至りません。ここに大きな問題があります。自分が子どもにハラスメントを行っているかもしれないということに、ぜひ気づいてください。
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