銀行員が「一生安泰」ではなくなった深刻背景

儲けられなくなった本業、急増する転職者

銀行はいま岐路に立っている。低金利政策により本業の利ザヤは下げ止まらず、キャッシュレス化・人口減少による来店客数の減少は続く。駅前一等地に支店を維持するのは、もはや限界が近い。昨秋、1.9万人の人員削減(全社員8万人の約4分の1に相当、10年間での自然減の計画)を公表したみずほフィナンシャルグループをはじめ、3メガバンクはいずれも中長期的に人員・店舗数を減らしていく計画を発表している。

待遇がいいメガバンクでは「3年離職率は1割、30歳時点でも2~3割程度」(メガバンクの元人事関係者)と、まだ人材流出は限られているが、収益力に劣る地銀はより深刻だ。首都圏近郊の地銀行員は、「3年前から給与体系が改定され、ほとんど定期昇給がなくなった。若手には不評で、3年離職率は3割を超えている」と話す。

銀行出身者の6割が非金融業へ

金融業以外への、転職も少なくない。転職サービスDODAの調査では、銀行員の転職先は約6割が非金融業だ。世代別に見ると、30代以降は金融業への転職が過半だが、コンサルやIT・通信、メーカーへの転職者も一定割合いる。「銀行員はベースの能力が高いと見られ、転職市場での評価は高い」(DODAの大浦征也編集長)。

ただ、「肩書きだけで転職できるのは35歳まで。マネジメント経験があっても42歳が限界」(大浦氏)。45歳以上は、コールセンターや人材派遣業などへの転職比率が高まり、専門性を活かしづらくなる。大量採用世代で最も層が厚い、現在50歳前後のバブル入行組はポストや出向先がなく、状況はより深刻だ。

銀行業の収益モデルが大きく揺らぐ中、銀行員の生き方も転換を迫られている。

『週刊東洋経済』6月2日号(5月28日発売)の特集は「銀行員の不安」です。
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