大手コンサルが提案「地方鉄道」再生の処方箋

利用者増やす「売り上げの上下分離」とは何か

茨城県のひたちなか海浜鉄道は自治体との連携が進み、利用状況は堅調だ(写真:たか/PIXTA)

3月31日、また一つ日本からローカル線が消えた。島根県の江津(ごうつ)と広島県の三次(みよし)を結ぶJR三江線は、多くの地元住民や鉄道ファンに惜しまれながら、3月31日で廃止となった。JRのローカル線に限らず、地方の鉄道会社には、道路整備の進展や沿線の人口減少で利用者が減り、経営が厳しいところが少なくない。

そんなローカル鉄道の経営改善に向け、日本を代表する金融系シンクタンクの一つが動きだした。三菱UFJリサーチ&コンサルティングは、「ローカル鉄道の健全経営に向けた行政支援のあり方に関する調査」と題した報告書を4月18日に発表した。全国のローカル鉄道会社96社にアンケート調査を行い、さらに鉄道会社と沿線自治体計15件にヒアリングを行ってまとめ上げた。

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大手シンクタンクとローカル鉄道という異例ともいえる組み合わせはなぜ実現したのか。経営難にあえぐ鉄道会社はどうすれば再生できるのか。その答えを知るべく、都内にある本社を訪ねた。

「乗って残そう」では鉄道は残らない

今回話を聞いた森口茂樹常務執行役員および4人の研究員はいずれも鉄道ファンとのこと。本業では政策研究事業本部という部署に所属し、官庁の政策立案を支援しているという。では、企業経営や自治体運営を厳しく見つめる専門家の目に、ローカル鉄道会社の経営はどのように映っているのか。

報告書を作成した三菱UFJリサーチ&コンサルティングのスタッフ陣(記者撮影)

近藤洋平副主任研究員は、「大都市を基盤にする大手の鉄道会社であれば、沿線の住宅開発や拠点駅の商業施設整備を行いながら利用者を増やすというデベロッパー的なやり方が可能だが、ローカル鉄道会社はそうした経営資源が乏しく、自治体が支援しないと利用者を増やすことは容易ではない」と話す。

沿線住民が「乗って残そう」という運動を行っているローカル鉄道もあるが、ヒアリングの過程で「『乗って残そう』運動では鉄道は残らない、という意見も見られた」という。

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