勢いづくソフトバンクが次に買収するのは? スーパーセルに続いてブライトスター。M&A戦略を加速中だ

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9月30日、新商品発表会の後の囲み取材で、孫社長は「グローバル成長戦略」について熱く語っていた

「みなさんが驚くような手を、いくつか仕込んでいるところです」--。

9月30日の新商品発表会で、ソフトバンクの孫正義社長は複数のプロジェクトが進行中であることを示唆していたが、その手が次々と明らかになってきた。

ソフトバンクは10月18日未明、携帯端末の卸売り会社、米ブライトスター社を子会社化すると発表した。買収金額は12億6000万ドル(1ドル98円換算で1234億円)。10月に入ってから、早くも2社目の"1ビリオン(10億ドル)クラス"の大型M&Aである。

SPC経由で買収

買収のスキームは次のようになっている。

まずソフトバンクが米国に設立する特定目的会社(SPC)がブライトスターの全株式を取得。当初は、このSPCの議決権のうちソフトバンクが約57%、残りの43%をブライトスターのマルセロ・クラウレCEOが所有する。そして今後5年をかけて、ソフトバンクの議決権比率を70%に引き上げていく。

ブライトスターは、フロリダ州マイアミに本社を置く、世界最大の携帯電話卸売会社。同社によれば年間の売上高は70億ドル超。卸売りだけでなく、アクセサリー販売から物流・在庫管理、携帯電話の保険、買い戻しや下取りソリューション、そのほか金融関連など多様なサービスを手掛ける。

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