久々増益のフジテレビが迎える新たな正念場

長寿バラエティ終了はどう影響するのか

コスト削減で増益に持ち込んだフジ・メディア・ホールディングス。真価を問われるのはこれからだ(記者撮影)

「フジテレビを何としてでも増益にする」。そんな経営トップの強固な意志が感じられた決算だった。

フジ・メディア・ホールディングス(HD)の前2018年3月期は、営業利益252億円(2017年3月期は223億円)と5年ぶりの増益となった。最も業績を牽引したのは前期比32億円の増益となった都市開発事業。軸となるサンケイビルが保有ビルの売却で大きな利益を計上し、グランビスタ ホテル&リゾートも前期のホテル改修の影響が消え、増収増益となった。

放送事業の主力であるフジテレビジョンも営業利益44億円(前期40億円)と6年ぶりの増益となった。視聴率は回復せず、タイム広告、スポット広告収入ともに減少したが、番組制作費を75億円削減。販管費も減らし、徹底したコスト削減で増益に持ち込んだ。

3月に希望退職を実施

ここ数年、フジテレビは番組制作費を中心にコスト削減を行ってきたが、前期は例年以上のものだった。中間期の決算の着地が見え始めた夏場のこと、宮内正喜社長(HDとフジテレビの社長を兼務)は「これではダメだ」と、期中にもかかわらず予算の組み直しを指示した。

これを受け、金光修専務を筆頭とするHDの経営企画局がフジテレビと一体となって一段のコストカットを実行。番組予算の配分を一から見直し、不要不急の設備投資案件も洗い出して見送った。3月には特別希望退職も実施している。

現場でも、スタジオでは過剰だったカメラの台数を減らしたり、場合によってはカメラ台数が少なく済むロケを活用。それに伴い編集も効率化するなど、工夫を重ねていった。かつての黄金時代から、よい映像を作ろうとして過剰になっていったものを一つひとつそぎ落としたのだ。現場スタッフには当然、葛藤もあったはず。まさに意地の増益だったといえる。

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