大幅減益のフジテレビを「月9」は救えるのか

民放キー局の出足が軒並み厳しい理由とは

スポット広告の出稿が落ち込んでおり、厳しい中での第一四半期決算となった(撮影:今井康一)

8月3日、民放キー局の2017年4~6月期決算が出そろった。4月以降、テレビ局関係者からは「(企業がキャンペーンなどに利用する)スポット広告の出稿が弱い」との声が上がっていた。実際、各局は厳しい出足となっている。

視聴率トップの日本テレビホールディングスは営業利益121億円と前年同期比15%の減益、本社の修繕費や償却費の増加が影響した。テレビ朝日HDも3割近い営業減益に陥った。ドラマなどのレギュラー番組を強化し、制作費が21億円増加したためだ。

テレビ東京HDも費用増などで営業利益は25%減の21億円。ただ、アニメ事業が予想以上に健闘し、通期予想を上方修正している。

一人気を吐いたのが、約25%の営業増益となったTBSHD。TBSテレビの利益は堅調で、雑貨店「PLAZA」は在庫管理を徹底し黒字転換。通販子会社も、テレビの番組枠を増やしたことなどで利益を伸ばした。

やはり厳しい決算になったフジメディア

そして、他局と比べてもさらに厳しい決算となったのがフジ・メディア・HDだ。営業利益は前年同期比半減となる33億円に沈んだ。

内訳を見ると、足を引っ張ったのは中核のフジテレビジョンだ。前年同期の46.6億円から8.7億円まで急減、8割の減益となり、放送セグメントを押し下げた。サンケイビルなどの都市開発セグメントは5億円の増益となり、前期に引き続き高水準だったが、放送のマイナス分はあまりに大きかった。

(注)単位は百万円 (出所)フジメディアHD決算資料

大幅減益の主因は視聴率下落による広告収入の減少だ。広告収入は視聴率の実績によって決まるため、そもそも4~6月期は伸びが見込めない状況だった。特定の番組内で放送する「タイム広告」、番組と関係なく流す「スポット広告」がともに減少。番組制作費で10億円、販売管理費で12億円ほど削減しても、力不足だった。通期ではわずかながら増益を見込むものの、厳しいスタートになってしまった。

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