チキンラーメンのCMが体現した「創造と破壊」 CM好感度調査上位に日清食品、キユーピーも

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CM資産の活用という点では、スタッフサービスのリバイバルCMが記憶に新しい。「上司や職場に恵まれなかったら、022(オー人事) 022(オー人事) 」というフレーズとチャイコフスキーの『弦楽セレナーデ』をBGMとしたCMシリーズが放送20周年を機に復活。宙に浮かんでしまうくらいに“意識の高い上司”や上司との距離感を強固なセキュリティーに例える部下目線のCM、“SNS映え”をテーマとした店員と客のやりとりを描いたCMなど現代の労働環境にあわせたアレンジで「原点進化」に成功している。

進化させるモノと時代を経ても変えないモノ

かつて人の心をつかんだフレームは、不変に人の心をつかむ可能性を持つ。とはいえ、やはり時の流れに合わせて時代色は変わるもの。いつまでも同じことや視聴者の想定内の企画ばかりやっていたのではすぐに関心は薄れていく。ブランドの顔となるキャラクターも、CMも、進化させるべき点と変えてはいけない部分の見極めが肝となる。

以前の必勝法にニュース性を加えて「今の時代の物語」に仕立て直した『キユーピーあえるパスタソース』『スタッフサービス』や、不可侵と思われるひよこちゃんのキャラクターを180度転換させ、軽々と消費者の想像力を超えていった『チキンラーメン』。ブランドを進化させるために、何を守りどこを変えるのか。さらに時には、守るべきだと思っているものは本当に変えてはいけない部分なのかを問うことが、ブランドや商品の飛躍を可能にする秘訣なのかもしれない。

(文中一部敬称略)

関根 心太郎 CM総合研究所 代表

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せきね しんたろう / Shintaro Sekine

1973年生まれ。1999年株式会社東京企画/CM総合研究所に入社。システム開発・データベース構築の責任者を経て2014年より現職。消費者3000人を対象としたCM好感度調査を中心に、テレビCMの広告効果測定および研究分析を実施。このほか企業へのコンサルティングや情報提供を通して、広告活動の最適化に向けた課題解決のサポートを行っている。

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