チキンラーメンのCMが体現した「創造と破壊」 CM好感度調査上位に日清食品、キユーピーも
このCMは4月12日からオンエアされているが、それに先駆けて4月3日からTwitterではひよこちゃんによる不穏なつぶやきが投稿されていた。「やってられっか!」「茶番はもう終わりだ。」など今までの優等生キャラクターからは想像できない荒んだツイートが並び、翌4日には公式サイト上に「わたくし、ひよこちゃんはチキンラーメン60周年を機に良い子を辞めさせて頂きます。」という辞表が掲出された。
文中では日清食品を「暗黒企業」と表現したり、「バーカ!バーカ!」と締めくくったりと、企業の公式サイトの「常識」からは大きく外れた文言が並び、同社の考える「ユーモア」のスケールの違いを見せつけられる。さらに、良い子をやめて悪魔に変わる顛末を収めたスペシャルサイトを深夜0時から6時6分まで時間限定で公開するなど、徹底した“グレっぷり”を発揮した。
日清食品のCMに共通する「ユニーク」さ
「安心・安全」なイメージを求められることが多い食品のCMとしては掟破りのような表現で、消費者モニターも予期せぬ展開に驚きを隠せない。感想を見ると「チキンラーメンはおとなしいCMできていたので、思い切ったCMを作ったな、というイメージ」「ひよこの唐突な変化に驚いた」「♪すぐおいしい…の曲がメタル調に変わる部分が耳に残ります」「まさか安心感のあるチキンラーメンが変化してしまうなんて」と従来のひよこちゃんとのギャップに関する記述が並ぶ。
とはいえ、最終的な消費者の受け止め方は好意的で「食べてみたくなった」「おいしそう」という記述も多く、「ためしてみたい」という商品へのトライアル意向は全3107作品中のトップの得票数を獲得した。
同社のCMはこれまでも『カレーメシ』では「カップヌードルよりカレーメシ!」「メンをすすってる場合じゃない!」と主力商品であるカップヌードルのパッケージを爆破したり、その『カップヌードル』にいたっては「OBAKA’s UNIVERSITY」シリーズで自社のオフィスまで破壊したりと、視聴者の想像をはるかに上回る奇抜さで自社の信じる「ユニーク」を表現してきた。
過激な表現は記憶に残りやすい反面、当然嫌悪感を生む可能性もはらんでおり、食品メーカーに限らずとも慎重になる広告主が多い。そんな中で日清食品は今回もこれまでのひよこちゃんのイメージを(傍目には)あっさりと壊してみせた。しかもひよこちゃんの「辞表」にもあった通り”発売60周年という節目の年に”だ。
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