動物虐待を「芸術作品」と喜ぶ人々の怖い闇 罰則強化と根本治療を考える

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「春は猫の出産シーズン。里親を装って虐待目的で子猫を譲り受ける“里親詐欺”を働くケースもあります」

と明かすのは里親詐欺への注意を呼びかけている埼玉県の近藤瞳さん(仮名・35)。

後を絶たない残酷な書き込みや動画の投稿を罪に問うことはできないのか。

犬や猫などをみだりに殺したり傷つけた場合、動物愛護管理法では2年以下の懲役または200万円以下の罰金に処せられる。

動物関連の法律に詳しい渋谷総合法律事務所の渋谷寛弁護士は、

「ネットに虐待の状況を書き込めば『犯罪の告白』とみなして警察が捜査できます。第三者が虐待を煽ったり、称賛して犯罪をそそのかすことは『教唆』にあたります。虐待しても簡単には捕まらないなどと虐待犯に伝えて犯行を手助けすれば『幇助』です。“猫を殺す”と言えば『脅迫罪』にあたる場合もあります。しかし、動物愛護管理法違反にかかる教唆・幇助犯の摘発は前例がなく難しい

動画についても「動物虐待に限らず、殺人など残虐な動画を撮影、投稿することじたいを規制する法律はありません。動画を取り締まるための新たな法律をつくる必要があります」(前出・渋谷弁護士)

虐待する、その精神状態に原因がある

ペットセラピーなど動物に関する研究を続ける「あいわクリニック」の精神科医、横山章光院長は動物虐待犯の研究がほとんど行われていないことを問題視する。

「罰則を強化するだけでは隠れてやる人が増えるだけ。虐待をするその根っこにある原因を見つけて治療しなければならない。虐待動画の投稿者は、動物が苦しんだり痛がったりすることに共感できていない精神状態にあると考えられる」(前出・横山院長)

今年は、5年に1度の動物愛護管理法改正が行われる年でもある。

残虐動画の取り締まりや、虐待をほのめかす書き込みの規制に対して、メスは入るのだろうか。

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