東京と福岡で進む「起業家支援」のスゴイ中身 スタートアップは都市活力を創出する主体だ

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渋谷に出現したEDGEofも注目スポットです。「世界をくつがえすひらめきは、いつも“端”から生まれてくる」という発想。起業家、投資家、クリエーター、エンジニア、メディア、研究者など多様なエキスパートが集まり、ひらめきを見逃さないための場所。知恵と資金を集積することでアイデアを育て、イノベーションを加速させる社会装置となることを目指しています。

渋谷駅から徒歩圏内のビル1棟を改装し、イベント会場、プロジェクトルーム、スタジオ、IoTやVR/ARのショールーム、ラウンジなどクリエーター向けの施設がそろい、地下には本格的な茶室もあります。個性的な人々が集い、独特のコミュニティを形成しています。6人のファウンダーの1人である小田嶋Alex太輔さんは語ります。

「私たちは自らをゲームチェンジャーズ・スタジオと定義しているのですが、そこには単に活動拠点として場所を提供するだけでなく、スタジオとしてさまざまなプロジェクトを自分たちが生み出していくという思想があります。さまざまな分野で活躍する優秀な人材が日本中、世界中から集まり共同でプロジェクトに取り組む、そのような創発的なイノベーションプラットフォームを構築しています」

福岡もスタートアップ支援が熱い

スタートアップの活況は東京だけではありません。福岡市においては、天神の繁華街の近く、小学校の校舎を活用してできたスタートアップ支援拠点の「Fukuoka Growth Next」がにぎわっています。同市では高島宗一郎市長のリーダーシップの下、スタートアップシティの形成を政策の柱に掲げ、さまざまな支援を展開しています。

その一環として、市内各所にある支援拠点を集約し、「集中することによって化学反応を生み出す」という取り組みがFukuoka Growth Nextです。運営は委員会方式で福岡市、福岡地所、さくらインターネット、アパマンショップホールディングスが当たります。

Fukuoka Growth Next の廊下(写真:福岡市)

どこか懐かしさを感じる昔ながらの校舎を改装した建物の1階にはスタートアップカフェ。文字どおりカフェのようなコワーキングスペースと情報コーナー。相談員のコンシェルジュが常駐し、時間や曜日ごとに起業手続、労務、税務、マーケティングなど専門家や日本政策金融公庫の担当が相談に乗ってくれます。スタートアップ関連のイベントや人材マッチングも活発に実施しています。

その隣は本格派のカフェでコーヒーのいい香りが漂います。家庭科室のあったところは、DIYスタジオで3Dプリンターや工具が利用できます。さらに夜にはスタートアップ界隈で有名なバーがオープンし、キーパーソンが交流します。

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