結果を見ていこう。
1位は昨年3位の全日本空輸(ANA)、2位は昨年9位の日本航空(JAL)という順で、総合順位と同じ並びになった。
昨年までは文系のメガバンク人気が根強かったが、今年は様相が少し異なっている。
昨年の文系順位は1位三菱UFJ銀行、2位みずほフィナンシャルグループ、3位ANAだった。それが、3位だったANAが首位に躍り出て、国内の2大エアライン会社がワン・ツーを奪取。要因は、2020年の東京五輪の開催や、インバウンド(訪日外国人旅行客)の増加で、エアライン業界を成長企業と評価し、志望する学生が多くなっているからと思われる。
一方、メガバンクは、人員削減方針や採用数の削減などが伝えられており、文系学生の”テッパン人気”から一歩後退した状況だ。そうしたメガバンク票の一端が、航空・旅行業界やメガバンク以外の金融などへと、分散したのかもしれない。
3位にりそな、メガバンク以外の金融に人気
その受け皿になったのが、3位にランクインしたりそなグループだろう。昨年の文系順位は14位だったので、かなりのジャンプアップだ。
ランクアップの要因として考えられるのは、採用数を大きく減らしていないこと。同グループの採用はりそな銀行、埼玉りそな銀行の合同となっているが、2017年11月28日配信の「最新版『新卒を多く採用する会社』トップ200」を見ると、昨年(2018年卒)の採用からメガバンク勢が採用数を減らしている中、りそなグループ(表記は「りそなホールディングス」)は、逆に採用数を増やしている。さらに、採用実績校や残業時間といった、ほかの銀行が出さない情報についても開示する姿勢があり、そうした点も学生に評価されたのかもしれない。
4位には昨年文系順位2位のみずほフィナンシャルグループが入り、5位日本生命保険、6位野村證券、7位大和証券グループと、金融業界の会社が続く。昨年1位の三菱UFJ銀行は9位とトップ10には踏みとどまった。
それ以外のトップ10には、8位にJTBグループ、10位ANAエアポートサービスが入り、トップ10は金融業界か、航空・旅行業界のいずれかになっている。
おおむね総合順位と変わらないのが文系順位の傾向だが、総合順位との差から、「より文系に人気のある企業」について探してみた。15位のバンダイ(総合37位)、33位のホテルやレストランなどを運営するPlan・Do・See(総合117位)、51位の婚礼施設運営のエスクリ(総合178位)、56位ニュー・オータニ(総合91位)などが挙げられ、ホテル・レジャー系の台頭が目立つ。
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