アップルは法人減税による明らかな勝ち組だ

本国への資金還流を元手に記録的株主還元

 5月1日、大規模な自社株買いや増配を打ち出したアップルは、株主に対する記録的な大盤振る舞いによって、昨年の法人減税の最も明らかな「勝ち組」として躍り出た。北京で2017年10月撮影(2018年 ロイター/Thomas Peter)

[サンフランシスコ 1日 ロイター] - 米アップル<AAPL.O>は、米税制改革に伴い本国還流させる莫大な資金を元手に、大規模な自社株買いや増配を打ち出した。株主に対する記録的な大盤振る舞いによって、昨年の法人減税による最も明らかな「勝ち組」として躍り出た。

S&P・ダウジョーンズ・インデックスによると、アップルの1─3月期の自社株買いは235億ドルに上る。米企業として過去最大で、スーパーマーケットのクローガー<KR.N>や小売りのベスト・バイ<BBY.N>、チョコレートのハーシー<HSY.N>など米国の名だたる企業の時価総額をも上回る。

1─3月期の自社株買いの規模は、同期のアップル株の売買高、約4000億ドルの5─6%にも相当する。

アップルは今後も大規模な自社株買いを続ける方針で、1日の決算発表時に新たに1000億ドルを購入する計画を発表した。ルカ・マエステリ最高財務責任者(CFO)はアナリスト向け説明会で「購入額が極めて大きいため、完了時期は示さない。ただ、効率的に進めたいと考えており、適切なタイミングで実行するつもりだ」と述べた。

2012年に開始した2100億ドルの自社株買い計画は、予定より9カ月ほど早く、4─6月期中に完了する予定。

さらにアップルは配当でも太っ腹なところをみせている。1─3月期の配当支払いは32億ドルで、今後16%の増配を予定している。

アップルが記録的な株主還元を決めたのは、昨年12月に成立した米税制改革が原因だ。今回の改革は30年ぶりとなる大規模な改正で、法人税税率が35%から21%に引き下げられ、世界展開する企業に対して海外に保有する資金の本国還流(リパトリ)について1回限り低い税率の適用を認めている。

アップルはこの制度を活用し、海外に保有するキャッシュ、2520億ドルの大半を本国に還流させるとアナリストは見込んだ。

またアップルの自社株買いと増配は、米国株の強気相場が続くかどうか多くの投資家が不安を抱いている時期にも重なり、株価を下支えしそうだ。

規模の面でアップルに大きく見劣りするが、他の米企業も自社株買いを強化している。トリムタブス・インベストメント・リサーチによると、米企業が4月に発表した新規の自社株買い計画は総額504億ドル相当で、昨年4月発表分の381億ドル相当を大幅に上回った。

トリムタブスによると、米企業が今年第1・四半期に発表した自社株買いは総額2421億ドルで、四半期ベースで過去最大。

個別企業では、フェイスブック<FB.O>が先週、90億ドルの自社株買い計画を発表。また製薬大手アッヴィ<ABBV.N>が5月1日から最大75億ドル相当の自社株を買い戻すと発表したほか、半導体大手ブロードコム<AVGO.O>も先月120億ドルの自社株買い計画を公表した。

(Noel Randewich記者)

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