フェイスブックはアフリカで悪用されている 政府が反体制派抑圧のために個人情報を利用

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10億もの人口を抱えるアフリカでは、次々と拡張される携帯電話のネットワーク、そして手ごろな価格で手に入る携帯電話を追い風に、インターネットの利活用が急増している。

これは、サブサハラアフリカ地域から月1億2300万もの人が自社ソーシャルネットワークサイトにアクセスするフェイスブックにとっては、まさに大きな成長の機会を意味している。

南アフリカ共和国で2013年にデータ保護に関する法律が制定され、権利活動家がこれを歓迎したように、アフリカ大陸の一部の国はこの急速な変化に対応している。しかし、対応出来ている国は少なく、その他の多くの国では対応ができていない。

このような状況は、生まれて初めてインターネットを利用するアフリカの人々を無防備な状態にしてしまっているとプライバシー問題の啓蒙を行っているグループは指摘する。

遅々として進まない法整備

権利のために活動するロンドンをベースとしたグループ「アーティクル19」によると、アフリカ54カ国のうち半数以上の国がデータ保護やプライバシーに関する法律を制定していない。そして何らかの法律を制定している14カ国のうち9カ国が、実際にその法律の遵守を徹底するための機関等を有さない。

4400万の人口を抱え、850万の人々が月に1度以上はフェイスブックにアクセスするとされるケニアだが、専門家によると、データ保護を目的とした法律はない。ケニア政府は同様の法律を現在起草中としている。

しかし、これまでアフリカ諸国の議会に提案されたデータやプライバシーに関する法律のなかには、何年も日の目を見ないものがある。

アフリカ諸国の中で最も多くのインターネット人口を抱えるナイジェリアでは、2010年に議会に提案されたデータ保護に関する法律が未だに可決されていない。

現在上院で議論されているこの法律は、本来の目的以外でのデータの利用を禁止し、個人情報を漏えいした企業には罰金を科すとしている。

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