フェイスブックはアフリカで悪用されている 政府が反体制派抑圧のために個人情報を利用
とはいえ、デジタル社会の権利活動家たちは、同国の法執行機関や司法機関に実際にこの法律を周知徹底させる能力があるかについては懐疑的だ。
ナイジェリア通信技術省報道官からはコメントをもらえなかった。
データプライバシーグループは、アフリカの多くの政府が国民から得たデータを自己の利益のために利用しているため、このような法律の制定に反対すると話す。たとえばケニアでの選挙戦だったり、また権利活動グループは、2015年にサイバー犯罪に関する法律が制定されて以来、タンザニア政府が反政府派を抑圧するために個人情報を利用していると見ている。
タンザニア政府の報道官は、ほかの対策とあわせて、通信を監視する機関がインターネット利用者の個人情報を開示することを防ぐ新たな規則を先月定めたと話した。
「フェイスブックがインターネット」
アフリカのデータ保護問題に影響を及ぼすものがもう1つあるとプライバシー啓蒙家たちは話す。フェイスブックも含め、自社プラットフォームやその他のウェブサイトの簡易版を用意し、利用者のデータと引き換えにそれらを無料で提供する企業があるのだ。
フェイスブックのサイトによると、同社は無料ベーシックサービス利用者から利用者がいつサービスにアクセスしたか、どのようなデバイスを使っているか、どの携帯電話のプロバイダーを使っているかなどの情報を得ている。同社は「これらの利用情報を第三者と共有することがある」としている。
無料ベーシックサービス利用者のなかにはインターネットを初めて利用する人もおり、どのような情報が集められているのかよく知らずに同社サービスを使っている人がいるとプライバシー啓蒙グループは話す。
フェイスブックは無料ベーシックサービスはアフリカの27の国で提供されており、同サービスの利用と関連した自らの情報はフェイスブックにコンタクトすることで消去することもできるとしている。
アフリカの人々の中にはフェイスブックの無料ベーシックサービスのように利用料のかからないサービスを通じてインターネットにアクセスする人もいるが、携帯電話のデータ利用料を支払う能力がある人たちの多くがインターネット上のどのサイトよりもこのプラットフォームを多く使うと、ワールドワイドウェブ財団ケニア事務所所長を務めるナンジラ・サンブリ氏は話す。
同氏は「多くのアフリカの人々にとって、フェイスブックがインターネットなのです」と語る。