プロチアリーダーを縛るセクハラまがい規則 「ガムを噛むな」「胸が垂れていてはいけない」

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運が良ければ、彼女たちはベンギャルズ(シンシナチ・ベンガルスのチアリーディング・チーム)やセンセーションズ(ニューオリンズ・セインツの同チーム)といった名前のチームに参加する。そして、ルールブックを渡され、それによって選手との交際や、時には、強い主張を持ちすぎることや、ガムをかむことなども禁止される。

チアリーダーの多くはその経験を楽しむだろう。仲間意識やファンの存在、それにスキルの向上などだ。NFLのチアリーダーの多くは訓練を受けたダンサーで、そのスキルがチアリーダーとしての仕事に必要となる。

男女で違うルールがまかり通るNFL

2000年から2002年までサンディエゴ・チャージャーズのチアリーダーを務め、チアリーダー・オーディションの秘訣についての本を何冊も出版しているフラビア・ベリーズは、「ラッシュ(相手チームを突破してボールを運ぶこと)ほどすごいものはない」と語る。「スタジアムにいるファン全員のエネルギーをすべて感じられる」。

1980年代にカウボーイズのチアリーダーだったトニー・ワシントンは「すぐに連帯感が生まれる」と言う。

それでも懸念すべき状況はある。ニューオリンズ・セインツの元チアリーダーで22歳のベイリー・デイビスは、レースのボディスーツを着た自分の写真をインスタグラムに投稿し、それがチームのソーシャルメディア・ルール違反となって、1月に解雇された。

これに対してデイビスは、雇用機会均等委員会に告訴した。NFLが2つの異なるルール、つまり、ほとんどが女性であるチアリーダー向けのルールと、男性の選手向けのルールの2つを設けているのは、性差別だとしたのだ。

「スーパードームの外での生活に関して、すべてをコントロールされるほどの賃金はもらっていない」とデイビスは言う。多くのNFLのチアリーダーの報酬は1試合当たり75ドルほどだ。デイビスがチームに残っていた場合、その報酬は1時間当たり10.25ドル、これはルイジアナ州の最低賃金を3ドル上回る程度だ。

ニューヨーク・タイムズなどが指摘しているように、チアリーダーのルールは過去の時代のもののようだ。マニキュアの義務や計量、タンポンの適切な使い方、ファンからの詮索や嫌がらせに礼儀正しく対応する方法までもが書かれている。

もし、誰かが1960年代のプレイボーイ・クラブで「バニーガール」と呼ばれた女性の接客係のルールを検討したら、驚くほどの類似点が見つかるだろう。バニーガールは、ガムをかんだり、爪が汚れていたり、髪が乱れていたりしたら「罰点」を与えられた。それでも、彼女たちには給与や手当などが支払われた。

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