プロチアリーダーを縛るセクハラまがい規則 「ガムを噛むな」「胸が垂れていてはいけない」

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「NFLのチアリーダーが大変なのは、ダンスの技術が必要であるうえに、ダンスをするときに外見も良くなければならないということだ」と、デイビスは言う。「8センチのヒールを履いてダンスをしなければならないし、しっかりとメイクをして、いつも笑顔でいなければならない。ただ立っているだけのときでも」。

「本当にダブル・スタンダードだ」と、ケイト・メイフィールドは言う。37歳のメイフィールドは、以前はボルチモア・レイブンズのチアリーダーで、現在はヘッジファンドのコンサルタントだ。

「チームは、私たちをトラブルに合わせないためにルールがあると説明する。なぜなら、何かが起こったらNFLは選手を守るからだ。私たちも同じ競技場にいるけれども、いざとなったら選手のほうが大事なのだ。私は、当時はそれを疑問には思わなかった。私は22歳だったから」

2012年版のオークランド・レイダーズのエチケット・ブックをニューヨーク・タイムズ紙が確認したところ、そこには次のように書かれていた。「レディのように座ること――足首を交差させるか足を組む、しかし足はそろえておくこと」。

2014年の裁判のために提出されたベンギャルズのルールブックには、「(理想体重を上回る)余分な体重は3ポンド(約1.3キログラム)まで」「ガムをかんではいけない」「胸が垂れていてはいけない」などと書かれている。

身体醜形障害や摂食障害に陥る事例も

両チームに尋ねたところ、ルールブックは改定されたとの回答だったが、具体的な修正内容は明らかにされなかった。

「私や多くのチームメイトにとって本当につらかったのは、身体醜形障害(自分の容姿が良くないと思い込むこと)や摂食障害、そしてそこから発生する気持ちの落ち込みや不安だった」

こう話すのは、2016年から2017年にかけてニューイングランド・ペイトリオッツのチアリーダーだった、大学生のリンジー・ローチャーだ。「完全に元には戻れない気がして怖い」と、彼女は言う。

デイビスは、NFLのチアリーディングそのものを廃止すべきだとは思っていない。しかし、NFLは時代に合わせて変わるべきだと考えている。「普通ではない」とデイビスは言う。「どれだけ私たちがひどい扱いを受けているか、誰も想像もつかないと思う」。

(執筆:Jessica bennett、翻訳:東方雅美)
© 2018 New York Times News Service

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