ケタ違い!従業員が多い米国企業トップ100 1位のウォルマートは230万人も雇用している

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ここまで紹介してきた上位3社は、アマゾンは若干性格が異なるものの、いずれも小売業のカテゴリーに含まれる。本稿のランキングでは、この3社を含め、トップ30のうち9社が小売業企業だ。5位のホーム・デポは世界最大のホームセンター、10位のターゲットは全米で1834店を展開するディスカウントストア、28位のCVSヘルスはドラッグストアの最大手と、業態こそ違うが、全米のトップ企業が名を連ねている。

また金融業も5社含まれる。銀行が4社、6位のバークシャー・ハサウェイは著名なウォーレン・バフェット氏が会長を務める投資会社で、中心は自動車保険で全米2位の保険グループGEICOだ。もっとも、16位のユナイテッドヘルス・グループも分類はヘルスケア機器・サービスだが、医療保険部門が売り上げの8割を占め、実態は保険会社といっても違和感はない。

トップ30のうち製造業はたったの4社

一方で、製造業はコングロマリットのゼネラル・エレクトリック(11位)、飲料のペプシコ(15位)、航空機エンジン・システムやオーティスエレベータを傘下に持つユナイテッド・テクノロジーズ(27位)、自動車のフォード・モーター(29位)の4社しかない。

小売業は、価格競争の激化で多かれ少なかれ収益にダメージを負ってきた。その打開策の1つとして合併による規模の拡大を図ってきたが、現在のところは店舗運営を中心に一定の人員が必要なことに変わりはないため、巨大化したトップ企業が上位に並ぶという結果となった。

しかし、情勢は大きく変わりつつある。アマゾンの急成長に対抗するため、各社ともにネット販売を強化しているうえ、前述の無人レジのようにIT化が進むことにより、実際の店舗の減少と、店舗での雇用の減少が進む可能性がある。

すでに小売業の雇用者数の伸びは低下している。再び米雇用統計で直近2018年3月の雇用者数と、3年前の2015年3月の雇用者数を比較すると、非農業部門雇用者数全体は5.2%増加しているのに対し、小売業全体では2.4%の増加にとどまっている。さらに細分化してみると、食品・飲料販売は1.2%増とさらに増加幅が小さくなり、デパートやスーパーなどの総合小売では0.2%の減少となっている。ちなみに、輸送・倉庫の従業員数は9.7%増と全体を大きく上回っており、ネット販売の拡大の影響が顕著に表れているといってよいだろう。

さて、最後に製造業だが、トランプ大統領は自らの支持基盤である白人労働者層を念頭に、雇用の拡大、とりわけ米国内への製造業回帰を訴え続けている。しかし、グローバル経済のなかで事業展開している大企業製造業にとって、徹底したコスト管理など効率的な体制が構築されているはずで、大統領の方針だからといって国内に拠点を新設したり戻したりして雇用を大幅に増やすということは考えにくい。

世界の政治経済の状況は明らかにこれまでより不透明感が増してきている。ましてや、予測不能の大統領を抱いている米国のこと、こうした何げないランキングでさえ、大きく変動する可能性を秘めている。

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