土浦「驚きの駅ビル改革」でつくばを越せるか

テーマは「自転車」だが走行環境はつくばが上

しかし、土浦は隣のつくば市と異なり自転車の走りやすい環境ではない。そういった環境での取り組みに意義はあるが、地域への定着は難しいと思わざるをえない。

そもそも、「りんりんロード」には隣の「ライバル」つくば市も含まれる。つくば市では昨年、中心部の「クレオスクエア」から相次いで大型商業施設が撤退したばかり。建物の今後の利活用について模索中というが、土浦と同じような図書館やサイクル施設の導入といった再開発は当然考えているだろう。

つくば市内では、自転車積載可能なバスがつくばセンターと筑波山口の間で運行されている(筆者撮影)

さらに、つくば市では土浦よりも条例整備による自転車まちづくりが進んでおり、市内では自転車を積載可能なバスも運行している。自転車を利活用したまちづくりには土浦よりも条件がよく、「りんりんスクエア」のような施設を作ってしまえば土浦の施設よりアクセス・走行環境でも上回ることは必至だ。そうすると土浦で今回わざわざ自転車まちづくりをする意味を考えてしまわざるをえない。

新たなまちづくりは道半ば

180kmにわたるサイクリングコースの魅力が広く伝わっていくかどうかも大きな課題となる。国内では瀬戸内海を渡る「しまなみ海道」や南房総エリアがサイクリングエリアとしては有名で、ハードもソフトも設備は整いつつある。一方でりんりんロードはコースとしてはフラットで走りやすいが、しまなみ海道のような風景のメリハリに欠ける。ただ沿道の観光スポットは決して少なくないので、自転車だけではない魅力のPRや口コミが重要になってくるだろう。

そして、施設としても「PLAYatré TSUCHIURA」からは、しまなみ海道を走るサイクリスト向けの複合施設「ONOMICHI U2」(広島県尾道市)のような、自転車を中心にした「リゾート」感や「非日常」感がまだうまく伝わってこない。こちらは2019年秋を予定しているフルオープン時に、どこまで作り込んでくるかを楽しみにしたい。また、JR東日本では房総地区に自転車専用列車「B.B.BASE」を1月から運行開始しており、JRとして房総と土浦でいかにバランスを取りながらPRしていくかにも注目だ。

自転車の利活用によるまちづくり。土浦に新たなまちづくりの風を吹かせたいという気持ちは大きく、期待は大きい。それでも、21世紀の商業都市として新しいまちの姿を打ち出せるようになるには、まだまだ厳しい道のりが待っていそうだ。

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