土浦「驚きの駅ビル改革」でつくばを越せるか テーマは「自転車」だが走行環境はつくばが上

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アトレの藤本課長は、今回のプロジェクトにおける大きな特徴を「『モノ消費』を思い切って捨て、足元商圏だけではなく、広域から集客を可能にする施設として『体験』を売る『コト消費』にフォーカスした」ことだという。新たな取り組みだけに、藤本課長は部分開業までの日々について「スピード感はあったが、前例がなく、新しいことへのチャレンジだった。すべてが苦労の連続だった」と振り返る。

こうしてアトレと茨城県の協働で生まれた「PLAYatré TSUCHIURA」の横には、土浦市も再開発ビル「アルカス土浦」を昨年11月に開業させた。こちらは図書館が目玉だ。開業から3カ月で来館者数は10万人を突破し、関係者の予想を超えるにぎわいを見せている。

駅ビル新装で活性化なるか

「PLAYatré TSUCHIURA」の隣に昨年完成した「アルカス土浦」。2~4階に入る図書館には多くの市民が訪れており、お隣つくば市からも視察が来た(筆者撮影)

土浦で相次ぐ新施設の開業に、中村副参事は期待を寄せる。「土浦は古いまちなので厳しい現実はあるかもしれない。しかし、駅前を見ると、市役所ができ、図書館ができた。駅ビルも大きく変わった。当然人の流れも変わる。そしてまちの活気も大きく変わってくるのではないかと思う。もともと、土浦は商業都市。そこに観光の視点でサイクリストという新しい風が入ってきて、新しい視点のまちづくりができるのではないかと考えている」。期待のかかる「PLAYatré TSUCHIURA」だが、今後はフードマーケットや1泊1万円以下のカジュアルなホテルなどの施設が順次オープンする。フルオープンは2019年秋の予定だ。

次なる課題は、今回のリニューアルを駅ビルと地域の活性化につなげられるかだ。

「土浦」と「自転車」はイメージでの結び付きが薄い。実はペルチ土浦には以前イオンモールが運営していた際に、面積700m2と大きな自転車専門店「イオンサイクルショップ」がスポーツ対応の自転車やロードバイクなどの品揃えを強化した店舗として入居していたが、撤退している。

そうした過去がある中で、茨城県と土浦市は今回3億1700万円(うち半分は地方創生拠点整備交付金)を投じて「りんりんスクエア」を整備した。また、今後も「りんりんスクエア」の区画(延べ床面積959.1m2)は茨城県がJRに賃貸料を支払う。こうした資金投入もあってか、茨城県は継続的に土浦で自転車の普及啓発の取り組みを行うという。交流人口の増加のみならず、地域に自転車利活用のメリットを根付かせていこうという考えだ。

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